2階に至る通路の前には、藤子・F・不二雄さんの仕事場を再現した「先生の部屋」があります。愛用の机の上は天井高約8.5mの書棚が設けられ、自宅から運び込まれた膨大な書籍とコレクション、約1万点がずらり。映画のレーザーディスク、鉄道模型、恐竜の化石など、
藤子・F・不二雄さんの発想の源泉が感じられます。
先生の部屋
2階の展示室IIでは企画展を開催、作品をテーマごとに分けてじっくり鑑賞できるようになっています。今回は各作品の「第一話」を中心に展示しています。
展示室II
館内全体が見所といってもいいミュージアムですが、筆者イチオシは外部庭園にある「きこりの泉」。ドラえもんの人気エピソードである、きれいになったジャイアンが泉から登場する話をモチーフにした仕掛けで、手動ポンプを押すときれいなジャイアンがゆっくりと浮上します。
きれいなジャイアン(きこりの森)
もちろん、館内でまんがの閲覧も可能。ドラえもんのオブジェがある2階のまんがコーナーで、自由にまんがを読むことができます。
「まんがコーナー」
2階奥の「みんなのひろば」は、すこしふしぎ(藤子・F・不二雄さんは「SF」を「すこしふしぎ」と呼んでいました)を楽しめる場所。タッチパネルでひみつ道具が現れるなど、楽しい仕掛けが多数用意されています。
「ひみつ道具アーカイブ」
「まんが立ち読みルーレット」
施設の各所には休憩スペースが設けられているので、小さな子ども連れでも安心。もちろんキッズスペースや授乳室も完備しています。
「キッズスペース」
他にもオリジナル短編アニメーションを上映する「Fシアター」、「ジャイアンとカツ丼」や「スネ夫ヘアーチョコクレープ」など楽しいメニューを揃えたミュージアムカフェ、ミュージアム限定グッズを豊富に揃えたミュージアムショップなど、館内は盛りだくさんです。
小田急線はオープンを記念したラッピング電車「小田急 F-Train」、川崎市は登戸駅とミュージアムを結ぶ特別仕様の有料シャトルバスを運行するなど、アクセスも楽しい「川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム」。間違いなく大人気スポットになることでしょう。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2011年8月22日 ]