特集
    2024年 秋のおすすめ展覧会 ベスト10 ― 東京版 ― [9月・10月・11月]

    2024年秋、東京で開催される注目の展覧会を一挙にご紹介!歴史ある作品から現代アート、科学のジャンルまで目白押し。芸術と文化に触れる秋のひと時を過ごしましょう。全国版はこちらです


    この秋は“ハニワ”が熱い!

    東京国立博物館では、東北から九州まで全国の「はにわ」が大集合。埴輪は古墳に立て並べられた素焼きの造形で、古墳時代の350年間にわたり地域ごとに多様な形が作られました。展覧会は、最高傑作「埴輪 挂甲の武人」が国宝に指定されてから50周年を迎えることを記念したもので、約120件の埴輪を展示。国宝指定50周年記念 特別展「はにわ」は、10月16日から開催です。


    東京国立博物館 国宝指定50周年記念 特別展「はにわ」


    古代からのメッセージ、ハニワと土偶の魅力再発見

    東京国立近代美術館では「ハニワと土偶の近代」を開催。文化や芸術の分野に影響を与えた古代のハニワや土偶。岡本太郎やイサム・ノグチらは出土遺物の美的価値を見出したことも大きな話題となりました。展覧会では、美術や文化史に影響を及ぼしたのか、ハニワや土器、土偶に向けられた視線の変遷を探ります。


    東京国立近代美術館「ハニワと土偶の近代」


    三菱一号館美術館が再開館

    建物メンテナンスのため長期休館中だった三菱一号館美術館が、11月23日に再開館。19世紀末にパリで活躍したアンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックの版画とポスター作品に焦点を当てた「『不在』―ソフィ・カルとトゥールーズ=ロートレック」を開催。また、現代アーティストのソフィ・カルがオディロン・ルドンの《グラン・ブーケ(大きな花束)》から着想を得て制作した新作が世界初公開されます。


    三菱一号館美術館「三菱一号館美術館 再開館記念 『不在』―ソフィ・カルとトゥールーズ=ロートレック」


    〈睡蓮〉の幻想的世界へ誘う

    国立西洋美術館では、クロード・モネの晩年の作品に焦点を当てた「モネ 睡蓮のとき」が開催されます。マルモッタン・モネ美術館のコレクションと日本国内の名品が展示します。特に注目は、〈睡蓮〉シリーズの大画面に囲まれた展示空間。モネが追求した芸術の深みを体験できることできます。


    国立西洋美術館「モネ 睡蓮のとき」


    ノートルダム大聖堂の歴史をタイムトラベル

    日本科学未来館では、日本初となるAR体験型展覧会を開催。専用端末「HistoPad」を使って、2024年12月の修復完了予定のノートルダム大聖堂の歴史や修復の様子を学びながら、没入感を楽しむことができます。特別展「パリ・ノートルダム大聖堂展 タブレットを手に巡る時空の旅」は11月6日から開催です。


    日本科学未来館 特別展「パリ・ノートルダム大聖堂展 タブレットを手に巡る時空の旅」


    色とりどりの鳥、まとめました

    国立科学博物館、初めてとなる「鳥類」をテーマにした展覧会も開催されます。世界的に分布し生物多様性の指標になる鳥類。会場では、急速に発展するゲノム解析による研究によって明らかになった最新の進化系統をもとに、鳥たちの進化の不思議を学んでいきます。特別展「鳥 ~ゲノム解析で解き明かす新しい鳥類の系統~」は11月2日から。


    国立科学博物館 特別展「鳥 ~ゲノム解析で解き明かす新しい鳥類の系統~」


    バーミヤン遺跡を紐解く

    三井記念美術館では、中央アジアのバーミヤン遺跡にある東西の大仏に由来する弥勒信仰の歴史を解き明かす「バーミヤン大仏の太陽神と弥勒信仰」を開催。2001年にタリバンによって破壊された大仏の壁画は、調査時のスケッチと写真を基に再現図として初公開。インド・ガンダーラの彫刻や日本の法隆寺など奈良の古寺をはじめ各所に伝わる仏像、仏画等の名品も並びます。


    三井記念美術館「バーミヤン大仏の太陽神と弥勒信仰」


    デザイナーと画家。ミュシャの2つの顔に迫る

    世紀末のパリを彩るポスターの数々を生んだデザイナーとして、また壮大なテーマを重厚な油彩で描き出した画家として活躍したミュシャ(1860-1939)。府中市美術館では、2つの顔を持つ芸術家・ミュシャの造形の力を版画、油彩画に、貴重な下絵などを交えながら紐解いていきます。「市制施行70周年記念 アルフォンス・ミュシャ ふたつの世界展」は9月21日から。


    府中市美術館「市制施行70周年記念 アルフォンス・ミュシャ ふたつの世界展」


    染色家・芹沢銈介の美への洞察

    柳宗悦とともに民藝運動を提唱した提唱し、「型絵染」において重要無形文化財の保持者でもある、染色家・芹沢銈介(1895-1984)。自由な色彩感覚と模様の才能から、日常の品々をスケッチして作品を生み出しました。観る者の心を躍らせ、柳にも評価された芹沢の美への洞察に注目した「芹沢銈介の世界」は、日本民藝館にて開催します。


    日本民藝館「芹沢銈介の世界」


    まるで本物さながら、須田悦弘の世界

    独学で木彫の技術を磨き、精巧な花や草木の彫刻を制作している須田悦弘(1969~)。まるで本物かのような作られた作品を意外な場所に設置した、インスタレーションは、須田の独自の世界を作り出しています。白井晟一建築の松濤美術館とのコラボレーションで開催される「須田悦弘展」では、初期作品から新作までが並びます。


    渋谷区立松濤美術館「須田悦弘展」


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