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春に東京会場で一足早く鑑賞した友人から「オーソドックスな作品が多く、英国画家の作品も多くて良かった」という感想を聞いていたので、楽しみにしていました。展覧会の構成は、最初の部屋にスコットランド国立美術館をテーマにした作品が数点あり、それ以降はルネサンス、バロック、18世紀、19世紀と年代による変化がわかるように展開されていました。
ティツィアーノ、ラファエロ、エル・グレコ、レンブラント、ルーベンス、ヴァトー、アングルブーシェ、ルノワールなど巨匠の作品が多数出品されており、展示作品の9割近くが日本初品ということで、次の機会はないかもしれないと思い、じっくり鑑賞しました。
展覧会の目玉作品である、ベラスケスの「卵を料理する老婆」と、英国画家のコンスタブルとターナーの風景画が、特に印象に残りました。
ベラスケスの作品は近くで見ると筆触がわかる作品が多いのですが、この10代に描かれた台所の様子は、近くで見ても本物のようで、すり鉢、水差し、グラスはつい持ち上げたくなるような質感でした。
展示室の後半には、コンスタブルとターナーの風景画が並べて展示されていました。同年代の英国画家ですが、前者の作品は静かでどっしりとした雰囲気、後者の作品は軽やかで風を感じました。何度も見比べたくなる展示でした。