2025年は日本各地でフィンセント・ファン・ゴッホをテーマにした大規模な展覧会が開催されます。鮮やかな色彩と力強い筆致で知られるゴッホは、今なお世界中の人々を魅了し続ける存在。その芸術や人生をさまざまな切り口で紹介する展覧会が揃い、まさに「ゴッホ・イヤー」ともいえる一年になりそうです!
フィンセント・ファン・ゴッホ(1853-1890)
オランダ出身のポスト印象派の画家。生前はほとんど評価されませんでしたが、現在では「ひまわり」「星月夜」「自画像」などの作品で知られ、美術史上最も影響力のある画家の一人とされています。独特の筆致と鮮やかな色彩が特徴で、感情のこもった表現が魅力。精神的に不安定で、自らの耳を切り落とす事件を起こしたことでも有名です。37歳で自ら命を絶ちましたが、弟テオの支えもあり後世に名が広まりました。
遺された家族に着目。ゴッホ作品が現代に伝えられるまで
ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢
大阪市立美術館 2025年7月5日(土)~8月31日(日)
東京都美術館 2025年9月12日(金)~12月21日(日)
愛知県美術館 2026年1月3日(土)~3月23日(月)

ゴッホの芸術が世に知られるようになるまでの「家族の役割」に焦点を当てた展覧会。特に、弟テオ、テオの妻ヨー、そして彼らの息子フィンセント・ウィレムが、ゴッホの作品を守り、美術館設立に尽力した歴史を紹介します。ゴッホの作品そのものだけでなく、「なぜ私たちは今、ゴッホの作品を見ることができるのか?」という視点から掘り下げていきます。
- ゴッホの家族が彼の作品を守り、世に広めた背景にフォーカス
- ゴッホ作品の歴史的な流れや、美術館設立までの経緯を紹介
- 「ゴッホの夢」がどのようにして後世へ
ゴッホの作品と、その影響を受けたアートとの関係を探る
ゴッホ・インパクト-生成する情熱
ポーラ美術館 2025年5月31日(土)~11月30日(日)

フィンセント・ファン・ゴッホ《ヴィゲラ運河にかかるグレーズ橋》1888年 ポーラ美術館
ゴッホの作品や生き方が後年の美術や文化にどのような影響を与えてきたかに焦点を当てた展覧会。単にゴッホの作品を紹介するだけでなく、彼の芸術が後の時代のアーティストたちにどのような「インパクト」を与え、それが現代までどのように受け継がれているのかを考察していきます。
- ゴッホの影響を受けたアーティストの作品にも着目
- ゴッホの作品だけでなく「ゴッホという存在の影響力」に重点を置いた展覧会
クレラー=ミュラー美術館のコレクションによる本格的な回顧展
大ゴッホ展 I.夜のカフェテラス展
神戸市立博物館 2025年9月20日~2026年2月1日
福島県立美術館 2026年2月21日~5月10日
上野の森美術館 2026年5月29日~8月12日

オランダのクレラー=ミュラー美術館が所蔵するゴッホの名作を中心に、彼の人生と作品をたどる展覧会。特に、《夜のカフェテラス》を目玉に、ゴッホの色彩やテーマに込められた想いを深く掘り下げる内容になっています。また、2025年が阪神・淡路大震災から30年、東日本大震災から15年という節目にあたることから、「困難の中で芸術を求めたゴッホの姿勢」を通じて、鑑賞者の心に寄り添うようなメッセージ性のある展覧会にもなっています。
ポイント:
- 《夜のカフェテラス》をはじめとする名作が日本にやってくる
- クレラー=ミュラー美術館のコレクションが中心で、ゴッホの画業を本格的に紹介
- ゴッホの人生や芸術における「苦悩と癒し」に焦点
※展覧会は2期構成で「II.アルルの跳ね橋展」は以下の日程で開催予定。
神戸市立博物館 2027年2月~5月頃
福島県立美術館 2027年6月~9月
上野の森美術館 2027年10月~2028年1月
「ゴッホ・イヤー」ともいえるこの特別な一年を通して、彼の作品や人生に改めて思いを馳せてみてはいかがでしょうか。色彩と筆致に込められた情熱、そして彼を支えた人々の物語に触れることで、ゴッホの芸術が持つ意味がより深く感じられるかもしれません。