大きな体で不器用なゾウが、失敗しながらも幼稚園で人気者となり成長する物語。今なお子どもたちに愛される絵本『ぐるんぱのようちえん』は、1966年に発行されました。
ぐるんぱや子どもの様子を愛らしく描いた絵本作家としても、またアートディレクターとしても活躍した堀内誠一(1932-1987)を紹介する展覧会が、立川のPLAY! MUSEUMにて開催中です。
![PLAY! MUSEUM「堀内誠一展 FASHION・FANTASY・FUTURE」会場入口](https://www.museum.or.jp/storage/article_objects/2025/02/04/e80d1e3e1989_l.jpg)
PLAY! MUSEUM「堀内誠一展 FASHION・FANTASY・FUTURE」会場入口
会場では、堀内誠一の多彩な仕事を「FASHION」「FANTASY」「FUTURE」の3つのセクションで紹介していきます。まずは「FASHION」から。
入口を入ると、49冊ものファッション雑誌『anan』の表紙が並んでいます。戦後の混乱の中で生計を立てるため、14歳の若さで伊勢丹百貨店の宣伝課に就職した堀内。看板やウィンドディスプレイのデザインを経験し、その後広告制作会社で雑誌のアートディレクションを手掛けるようになります。 堀内は、1970年に平凡出版(現・マガジンハウス)によって創刊された女性誌『anan』のアートディレクターに抜擢されました。
![PLAY! MUSEUM「堀内誠一展 FASHION・FANTASY・FUTURE」会場より「FASHION」](https://www.museum.or.jp/storage/article_objects/2025/02/04/d5b61b62ebe5_l.jpg)
会場風景「FASHION」
堀内は、創刊当初から現在まで使用されている『anan』のロゴデザインや、誌面全体のアートディレクションを担当。雑誌のコンセプト作りや編集にも携わり、欧米やアジアの海外ロケ地でこれまでにないモデルたちのポーズを生み出し、斬新な雑誌づくりを実現しました。
![PLAY! MUSEUM「堀内誠一展 FASHION・FANTASY・FUTURE」会場より「FASHION」](https://www.museum.or.jp/storage/article_objects/2025/02/04/0517c5b3bde9_l.jpg)
会場風景「FASHION」
「FANTASY」のセクションは、渦巻き状の会場内のトンネルをくぐり、絵本の森へ足を進めると現れます。
幼い頃から絵を描くことが好きだった堀内は、デザイナーとして活躍しながらも絵を描き続け、26歳の時に絵本『くろうまブランキー』を出版します。 堀内は70冊以上の絵本や挿絵を手掛けましたが、ここでは9作品の原画を紹介しています。
![PLAY! MUSEUM「堀内誠一展 FASHION・FANTASY・FUTURE」会場より「FANTASY」](https://www.museum.or.jp/storage/article_objects/2025/02/04/77d0cee833ba_l.jpg)
会場風景「FANTASY」
展示される作品のテーマは、童話をもとにした『七わのからす』や『くるみわりにんぎょう』など、古今東西の民話や物語、科学絵本など多岐にわたります。
![PLAY! MUSEUM「堀内誠一展 FASHION・FANTASY・FUTURE」会場より「FANTASY」](https://www.museum.or.jp/storage/article_objects/2025/02/04/64ee1304299b_l.jpg)
会場風景「FANTASY」
『てがみのえほん』は、1956年に創刊された月刊絵本「こどものとも」の200号を記念して制作された作品です。「ぐりとぐら」や「ファーブル昆虫記」など、子どもたちに親しまれている絵本の登場人物から手紙が届くという設定で描かれています。 会場には、手紙の送り主が登場する絵本も展示されています。
![PLAY! MUSEUM「堀内誠一展 FASHION・FANTASY・FUTURE」会場より「FANTASY」](https://www.museum.or.jp/storage/article_objects/2025/02/04/5a815bdbde5e_l.jpg)
会場風景「FANTASY」
![PLAY! MUSEUM「堀内誠一展 FASHION・FANTASY・FUTURE」会場より「FANTASY」](https://www.museum.or.jp/storage/article_objects/2025/02/04/ba63f3c4d8c4_l.jpg)
会場風景「FANTASY」
渦巻き状の会場の中心に進むと、クッキーやお皿、靴を頭の上に乗せた巨大なぐるんぱが登場。 原画の展示や、実際に手に取って読むことができる絵本も並んでいます。
![PLAY! MUSEUM「堀内誠一展 FASHION・FANTASY・FUTURE」会場より「FANTASY」](https://www.museum.or.jp/storage/article_objects/2025/02/04/eef0e2775ed8_l.jpg)
会場風景「FANTASY」
堀内は54歳という若さで逝去しましたが、雑誌や絵本だけでなく、装丁デザインやイラスト、地図なども手掛け、幅広い作品を残しました。 「FUTURE」のセクションでは、堀内を敬愛する110人が選んだ“私の好きな堀内さん”というコーナーもあり、多彩な作品を堪能することができます。
![PLAY! MUSEUM「堀内誠一展 FASHION・FANTASY・FUTURE」会場より「FANTASY」](https://www.museum.or.jp/storage/article_objects/2025/02/04/4e680fd9f44e_l.jpg)
会場風景「FANTASY」
ショップでは、『ぐるんぱのようちえん』をモチーフにしたTシャツやポーチ、グラスなどのお土産も購入できます。会期は4月6日まで。デザインに興味がある方も絵本が好きな方も、春休みを利用して家族で訪れるのもおすすめです。
![PLAY! MUSEUM「堀内誠一展 FASHION・FANTASY・FUTURE」会場より「FANTASY」](https://www.museum.or.jp/storage/article_objects/2025/02/07/5556e9c73519_l.jpg)
会場風景「FANTASY」
[ 取材・撮影・文:坂入 美彩子 / 2025年2月3日 ]