2019年7月1日(月)、東京・千代田区の東京国立近代美術館で「高畑勲展 ― 日本のアニメーションに遺したもの」のプレス向け内覧会が開催された。
1960年代から半世紀にわたって日本のアニメーションを牽引したアニメーション映画監督、高畑勲(1935-2018)の歩みを振り返る回顧展。
高畑勲は三重県生まれ、岡山県育ち。東京大学仏文学科卒業後、東映映画(現・東映アニメーション)に入社。
長編初監督となった「太陽の王子 ホルスの大冒険」(1968)で、大人の鑑賞にたえる壮大なスケールの作品を作り、その後もアニメーションにおける新しい表現をつぎつぎに開拓。
70年代には「アルプスの少女ハイジ」(1974)や「赤毛のアン」(1979)などのTV名作シリーズ、80年代には「じゃりン子チエ」(1981)や「火垂るの墓」(1988)などで日本の風土や庶民生活のリアリティーを表現していった。
遺作となった「かぐや姫の物語」(2013)ではデジタル技術を駆使。手描きの線を活かした水彩画風の描法で、従来のセル様式とは一線を画した表現上の革新を達成した。
高畑自身は絵を描かないが、展覧会では高畑の演出術に注目。制作ノートや絵コンテなど、展覧会を準備する過程で見つかった資料も公開しながら、その作品世界の魅力に迫る。
「高畑勲展 ― 日本のアニメーションに遺したもの」は東京国立近代美術館で、2019年7月2日(火)~10月6日(日)に開催。観覧料は一般 1,500円、大学生 1,100円、高校生 600円。前売りはそれぞれ、200円引で2019年7月1日(月)23:59まで発売。
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