《鼠草子絵巻》五巻室町~桃山時代 16世紀 サントリー美術館
サントリー美術館都に住む鼠の権頭(ごんのかみ)は、自分の子孫が動物から生まれ変わって欲しいと人間との結婚を企てます。清水寺に祈願した甲斐あって、権頭は見事人間の姫君と結婚!しかし、夫の留守中に屋敷の奥をのぞき見した妻は、鼠に嫁いだことを知り逃げてしまいます。破局を迎え絶望した権頭は出家して高野山に入った、という物語を描いています。室町時代から江戸時代初期にかけて愛読されたお伽草子絵巻のなかでも代表的な人気作品です。
担当者からのコメント:人間との出会いを求めて、白馬に乗り清水寺へ向かう権頭。実は120歳にもなる古鼠ですが、その姿は、まるで『源氏物語』の光源氏か『伊勢物語』の在原業平のようだと語られています。本作は、2020年夏のリニューアル・オープン記念展 II「知って楽しい日本美術」展(仮称)で展示予定です。権頭の「美鼠」ぶりを、ぜひ会場でご覧ください!