明治大学博物館をたずねて (2)
では早速、明治大学博物館についてご紹介しましょう。JR御茶ノ水駅から徒歩5分、明治大学駿河台キャンパスの地下にある明治大学博物館は、2004年に開館しました。
館内は地下1階に大学史展示室と特別展示室、地下2階には前身である3つの博物館から引き継いだ商品、刑事、考古の3部門という構成です。
商品・刑事・考古の3部門が常設展示。地下2階です。
商品部門に並ぶのは、日本の伝統工芸品です。消費者にとっての有用性と、製造・販売者にとっての収益性のバランスの上に成立する商品。日本的な文化の所産といえる伝統工芸品はコストが課題になりますが、新たな価値が付加される事により、機械化や化学合成技術の進んだ現代においても商品として成立します。
ここでは伝統工芸品における文化的背景、原材料、製法、デザイン、新旧商品の対比などを通して、商品の有用性(使用価値)を考えていきます。
商品部門
商品部門
続いて刑事部門。前身の刑事博物館は1929年に設立されました。戦前には江戸時代や明治初期の刑罰関係の道具や古文書を、戦後は明治立法史関係文書や日本近世法律文書などを収集しています。
何が罪にあたるのか、その罪にはどのような刑罰が与えられるかは、時代によって異なります。文書類では鎌倉時代の基本法である「御成敗式目」や、江戸幕府の「武家諸法度」、道具類では十手や刺又(さすまた)などの捕者道具、またギロチンや「鉄の処女」など、欧州における刑罰思想に関連する資料も展示されています。
刑事部門
刑事部門