読者
    レポート
    神戸市立博物館「コートールド美術館展 魅惑の印象派」

    神戸市立博物館「コートールド美術館展 魅惑の印象派」

    文 [エリアレポーター]tomokoy / 2020年3月27日
    【当面の間、臨時休館】
    「コートールド美術館展 魅惑の印象派」が神戸市立博物館で開催されます。



    コートールドはイギリスの実業家で、マネ、ドガ、ルノワール、セザンヌなど、印象派のコレクションを築きました。およそ100年前(1920年代)のことです。

    展示会場は2つに分かれていて、最初の会場では主にセザンヌの絵が紹介されています。


    ポール・セザンヌ《キューピッドの石膏像のある静物》1894年頃 油彩、板に貼られた紙 コートールド美術館 © Courtauld Gallery (The Samuel Courtauld Trust)
    セザンヌの《キューピッドの石膏像のある静物》。
    何となく不思議な印象で、見入ってしまいます。
    静物なのに、水平な線が一本も見当たらないためでしょうか。

    次の展示会場では、ルノワール、ドガ、マネなどの作品が並びます。


    ピエール=オーギュスト・ルノワール《靴紐を結ぶ女》1918年頃 油彩、カンヴァス コートールド美術館 © Courtauld Gallery (The Samuel Courtauld Trust)
    ルノワールの《靴紐を結ぶ女》。
    コートールドのコレクション第一号となった作品です。



    ピエール=オーギュスト・ルノワール《春、シャトゥー》1873年頃 油彩、カンヴァス 個人蔵(サミュエル・コートールド旧蔵)
    夢の中のような光景。
    パリ郊外の風景が描かれています。



    ピエール=オーギュスト・ルノワール《桟敷席》1874年 油彩、カンヴァス コートールド美術館 © Courtauld Gallery (The Samuel Courtauld Trust)
    華やかなドレスに身を包み、劇場の桟敷席(ボックス席)に座る女性。
    コートールドはこの絵に相当ほれこんでいたらしく、女性を花や宝石に、劇場を聖堂にたとえた詩を書き残しています。

    この作品と同じ年(1874年)に描かれたのが、下のドガの絵です。


    エドガー・ドガ《舞台上の二人の踊り子》1874年 油彩、カンヴァス コートールド美術館 © Courtauld Gallery (The Samuel Courtauld Trust)
    舞台を斜め上から見下ろしているような視点。さっきの男女が座る桟敷席からは、こんな風に見えるのでしょうか。

    踊り子たちの表情は、本番の舞台のわりにリラックスしているように見えます。
    上演作品は明らかではありませんが、その衣装から、モーツァルトのオペラ『ドン・ジョヴァンニ』の幕間の可能性があるそうです。



    エドゥアール・マネ《フォリー=ベルジェールのバー》1882年 油彩、カンヴァス コートールド美術館 © Courtauld Gallery (The Samuel Courtauld Trust)
    ミュージックホールにあるバーで接客する女性。
    等身大の女性の正面に立つと、自分自身がバーの客となり、飲み物を注文しているような気分になります。

    人々のざわめき、グラスの触れ合う音‥。鏡の中の世界が自分の背後にも広がっていきます。



    アメデオ・モディリアーニ《裸婦》1916年頃 油彩、カンヴァス コートールド美術館 © Courtauld Gallery (The Samuel Courtauld Trust)
    モディリアーニの裸婦像。肌の質感が独特です。
    絵具の塗り方の工夫が、X線を使った調査で明らかになっています。

    この展示フロアには、ほかにゴーガンやロートレックの絵、ドガやロダンの彫刻などが並びます。
    コートールドは、印象派がすべての人に開かれた芸術であることを確信していました。
    時間がいくらあっても足りないと思うくらい、見ごたえがあります。

    会場神戸市立博物館
    開催期間2020年3月28日(土)~6月21日(日)
    ※開幕は当面延期。最新情報は展覧会公式サイトへ
    開館時間10:00~18:00(金曜は20:00、土曜は21:00まで)
    所在地兵庫県神戸市中央区京町24
    078-391-0035
    HP : https://courtauld.jp/
    料金一般 1,500円、大学生 750円、高校生以下無料
    展覧会詳細へ「コートールド美術館展 魅惑の印象派」 詳細情報
    エリアレポーターのご紹介
    tomokoytomokoy
    京阪神を中心に、気になる展示をぷらぷら見に出かけています。
    「こんな見方も有りか」という感じでご覧いただければと思います。
    https://tokidokibunka.hatenablog.com/

    エリアレポーター募集中!
    あなたの目線でミュージアムや展覧会をレポートしてみませんか?
    エリアレポーター募集中!
    あなたの目線でミュージアムや展覧会をレポートしてみませんか?
    このレポートに関連する巡回展
    東京都
    2019年9月10日(火)〜12月15日(日) 東京都美術館
    愛知県
    2020年1月3日(金)〜3月15日(日) 愛知県美術館
    おすすめレポート
    学芸員募集
    荻窪三庭園 施設管理運営スタッフ募集! [荻窪三庭園]
    東京都
    令和7年度採用 契約職員募集 [静岡科学館、静岡市生涯学習センター各施設等配置先については、採用後に決定し通知します。]
    静岡県
    大阪市公文書館調査員会計年度任用職員募集中! [大阪市公文書館]
    大阪府
    横浜人形の家 事業企画スタッフ(展示企画・製作/教育普及プログラム実施等)募集! [横浜市中区山下町18番地(横浜人形の家)]
    神奈川県
    ★楽しく わかりやすく 伝える仕事★ 大阪市下水道科学館 副館長(事業ディレクター)募集! [【大阪市下水道科学館】大阪市此花区高見1丁目2-53]
    大阪府
    展覧会ランキング
    1
    国立西洋美術館 | 東京都
    モネ 睡蓮のとき
    開催中[あと54日]
    2024年10月5日(土)〜2025年2月11日(火)
    2
    麻布台ヒルズ ギャラリー | 東京都
    ポケモン×工芸展 ― 美とわざの大発見 ―
    開催中[あと45日]
    2024年11月1日(金)〜2025年2月2日(日)
    3
    米子市美術館 | 鳥取県
    MINIATURE LIFE展2 田中達也 見立ての世界
    開催まであと51日
    2025年2月8日(土)〜3月24日(月)
    4
    京都文化博物館 | 京都府
    世界遺産 大シルクロード展
    開催中[あと45日]
    2024年11月23日(土)〜2025年2月2日(日)
    5
    日本科学未来館 | 東京都
    特別展「パリ・ノートルダム大聖堂展 タブレットを手に巡る時空の旅」
    開催中[あと47日]
    2024年11月6日(水)〜2025年2月4日(火)