日本テレビ系で放送されている映画番組「金曜ロードショー」。番組が始まった1985年は、スタジオジブリが“スタジオ開き”をした年で、日本テレビが特別番組で『風の谷のナウシカ』を初放送した日でもあります。
これまで200回以上にわたってスタジオジブリ作品を放映している「金曜ロードショー」の歩みを辿りながら、スタジオジブリ作品の魅力を紹介する展覧会が、寺田倉庫B&C HALL/E HALLで始まりました。
寺田倉庫B&C HALL/E HALL「金曜ロードショーとジブリ展」会場入口
会場はオープニング映像の後に、ヒストリーゾーン。「金曜ロードショー」が始まったのは、バブル景気が始まる直前の1985年。72年から放送されていた「水曜ロードショー」の放映曜日が移り、名称を変更してあらたにスタートしました。
ヒストリーゾーンでは昭和から平成、令和に至る世相を掘り起こしながら、映画の魅力に迫っていきます。
ヒストリーゾーン入口
ジブリ関連の展覧会はこれまでにも何度も開催されていますが、今回の展覧会では参加型のコンテンツなど、エンターテイメント性が高いのが特徴的。
アート作品としてジブリを紹介する事が多い、美術館での展覧会とはひと味ちがいます。
会場中ほどの大きな階段を登って進みます
2階で楽しめるのが「ジブリ映画ポスタースタジオ」。スタジオジブリ作品のポスターの中に飛び込んで、主人公のように撮影できるフォト空間です。
用意されているのは『魔女の宅急便』『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』『借りぐらしのアリエッティ』『猫の恩返し』『崖の上のポニョ』。それぞれのスポットの前で、上手に撮影するポイントも説明されています(『崖の上のポニョ』は7/2(日)までの予定)。
「ジブリ映画ポスタースタジオ」
再び1階に下りると「ジプリの幻燈楼」が登場。2018〜19年に開催された展覧会「ジブリの大博覧会」富山展のために作られたもので、東京での展示は初めてです。
スタジオジブリが監修し、ガラスの町・富山の富山ガス造形研究所、富山ガラス工房、地元作家らが制作しました。
「ジブリの幻燈楼」
ミュージアムショップには、展覧会のオリジナルグッズがずらり。「金曜ロードショー」では1997年から2009年まで、スタジオジブリが制作したオリジナルのムービーがオープニングを担当。そのキャラクターである“フライデーおじさん”を使ったグッズは、人気を集めそうです。
ミュージアムショップには”フライデーおじさん”のグッズもいっぱい
ショップの先も展示が続きます。本展最大の目玉といえる展示は、大トリに登場します。
「金曜ロードショー」とスタジオジブリのヒストリーにおける原点といえるのが『風の谷のナウシカ』。会場には“腐海”の空間が現れます。
リアリティあふれる王蟲、大王ヤンマ、ムシゴヤシなどを手がけたのは、稀代の造形作家として知られる竹谷隆之さん。絶好のフォトスポットになりそうです。
『風の谷のナウシカ』王蟲の世界
『風の谷のナウシカ』王蟲の世界
『風の谷のナウシカ』王蟲の世界
「トトロは“金ロー”のおかげで有名になった」という鈴木敏夫さん。確かに、映画館での鑑賞はどうしても期間が限られる事もあり「金曜ロードショー」でジブリ作品を楽しんだ人はとても多いと思います。
「金曜ロードショー」では、宮﨑駿監督の新作『君たちはどう生きるか』の公開を記念し、7/7から3週連続でスタジオジブリ作品を放送。“フライデーおじさん”のオープニングも復活します。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2023年6月28日 ]
©Studio Ghibli