フランス政府の依頼を受け、田原桂一は1987年から1994年まで約8年の歳月をかけて、パリのオペラ座を撮影しました。当時、オペラ座の責任者だったピエール・ベルナール氏は、自然光の中、長時間露光することで被写体がドラマチックな雰囲気と質感で表現される田原独自の撮影スタイルが、オペラ座を撮影するのに最適だと考えたのです。撮影はオペラ座の壮麗な建築やしつらえだけではなく、華やかな衣装や宝飾、さらには舞台装置の表と裏に至るまで、オペラ座全体が記録されました。
約550点に及ぶ作品は、1995年に「ARCHITECTURE(建築)」、「COSTUMES(衣装)」、「 BIJOUX(宝飾)」、「 MAQUETTES(舞台美術)」 の 4 冊からなる大判写真集「OPÉRA de PARIS」として出版されました。この写真集は世界中で高い評価を受け、オペラ座の美しさを多くの人に知らしめるものとなっています。
展覧会では、写真集「OPÉRA de PARIS」の中から厳選された作品約30点を、オペラ座の世界観をイメージした会場に展示します。また会場では2,000冊限定で出版された貴重な「OPÉRA de PARIS」原本や、写真集をもとに制作された映像をご覧いただけます。