本格的な夏はすぐそこへ。暑い季節こそ、エアコンが効いたミュージアムでリフレッシュ! 6月、7月、8月から開催される東京都の展覧会10選を厳選してご紹介します。全国版はこちらです。
神護寺に受け継がれる文化財
東京国立博物館 平成館では、特別展「神護寺―空海と真言密教のはじまり」を開催。京都北郊の高雄山寺を起源とする神護寺は、唐から帰国した空海が活動の拠点とした場所です。展覧会は、824年に正式に密教寺院となった神護寺創建1200年と空海生誕1250年を記念して、国宝「薬師如来立像」や約230年ぶりの修復を終えた「両界曼荼羅」を展示します。
東京国立博物館 特別展「神護寺―空海と真言密教のはじまり」
まだ見ぬ「昆虫」の世界へ
国立科学博物館では自由研究にもぴったりな、世界中に存在する昆虫をテーマとした特別展を開催します。研究者たちによるマニアックな視点で、カブトムシやクワガタムシなどをはじめ、将来の新種や新発見となる研究も発表する「昆虫 MANIAC」は、7月13日から。
国立科学博物館「昆虫 MANIAC」
美術品の成り立ちと伝承を改めて考える [PR]
今では誰でも鑑賞できる美術品も、もとは邸宅の建具だったり、プライベートな部屋を飾るためだったりと、所有する人との関係から生まれたものです。アーティゾン美術館「空間と作品」は、美術品がどのような状況で生まれ、扱われ、受け継がれてきたのか、モネ、マティス、藤田嗣治など近代の名品、琳派による作品から抽象絵画まで、古今東西の石橋財団コレクション約130点により、その時々の場を想像しながら体感する展覧会です。
アーティゾン美術館「空間と作品」
中世ヨーロッパの小宇宙・写本の数々
印刷技術のなかった中世ヨーロッパで、人々の信仰を支え、知の伝達を担っていた「写本」。羊や子牛などの動物の皮を薄く加工して作った紙に筆写した写本の魅力を、内藤裕史によるコレクションから紹介。国立西洋美術館「写本 — いとも優雅なる中世の小宇宙」は6月11日からです。
国立西洋美術館「写本 — いとも優雅なる中世の小宇宙」
帰ってきた「超・日本刀入門」
静嘉堂文庫美術館では、世田谷岡本に拠点のあった際に人気を博した刀の展覧会が丸の内で開催されます。「超・日本刀入門 revive」展は“刀のどこを見ればいいのか”“全部同じように見える”と思っている方におすすめの入門編の展覧会。国宝・重要文化財刀剣9件をはじめ、古名刀を特集します。
静嘉堂文庫美術館「超・日本刀入門 revive」
ファッションデザイナー・髙田賢三が残したレガシー
2020年に惜しまれつつ逝去したファッションデザイナー・髙田賢三(1939-2020)。 日本人デザイナーとしていち早くパリに進出し、ファッション界の常識を打ち破るスタイルを次々と生み出した髙田の大規模個展 「髙田賢三 夢をかける」が東京オペラシティアートギャラリーにて開催。“色彩の魔術師”髙田の衣装やデザイン画、幼少期からのスケッチを紹介します。
東京オペラシティ アートギャラリー「髙田賢三 夢をかける」
アーティスト・コルビジェのすがた
20世紀を代表する建築家、ル・コルビュジエは、数多くの美術作品も残しています。コルビュジエの絵画への情熱が感じられる、油彩や素描など約130点を展示する「特別展 大成建設コレクション もうひとりのル・コルビュジエ~絵画をめぐって~」。大倉集古館で6月11日からです。
大倉集古館「特別展 大成建設コレクション もうひとりのル・コルビュジエ~絵画をめぐって~」
約240点ものロートレック作品を展示
SOMPO美術館では、19世紀末フランスを代表する画家、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック(1864年―1901年)の展覧会を開催。「ロートレック展 時をつかむ線」では素描や版画、挿絵など、ロートレックの紙作品の個人コレクションとしては世界最大級のフィロス・コレクションから、約240点が来日します。
SOMPO美術館「フィロス・コレクション ロートレック展 時をつかむ線」
中原淳一によるクリエイションの数々
イラストレーションや雑誌編集、ファッションデザイン、インテリアデザインなどマルチに活躍した、中原淳一(1913-1983)。生誕111年を記念し松涛美術館では、挿絵や表紙の原画や衣服、アーティストとして制作した絵画など、仕事の全貌に迫る「111年目の中原淳一」が開催されます。
渋谷区立松濤美術館「111年目の中原淳一」
田名網敬一、初の大規模回顧展
アメリカ大衆文化からの影響が反映された色彩鮮やかな作品が特徴の田名網敬一(1936-)。87歳となった今も旺盛な創作活動を続ける田名網。「記憶」をテーマに、60年以上にわたる田名網の活動紐いていく「田名網敬一 記憶の冒険」は国立新美術館で8月から開催です。
国立新美術館「田名網敬一 記憶の冒険」