家庭用ゲーム機の登場から約半世紀 —— ドット絵から始まった「ビデオゲーム」は、いまや映画と肩を並べるような美しい映像によって多くの新しい世界を生み出しています。また、ビデオゲームに親しんだ子どもたちが歳を重ね、その存在はすでに幅広い世代に浸透しており、社会におけるビデオゲームの立ち位置は確実に変化しています。それは現在において、私たちの多くが共有する大衆文化の一部であり、そしてテクノロジーと表現の領域を横断し、クリエイターの創造力と個性が発揮される総合芸術であると言えるのではないでしょうか。
1983年に大阪で産声を上げ、世界的ゲームソフトメーカーに成長した現在までその本社を大阪に置くカプコンは、対戦格闘ゲームの歴史を築いてきた『ストリートファイター』シリーズやサバイバルホラーゲームの金字塔『バイオハザード』シリーズ、社会現象となった『モンスターハンター』シリーズなど、数多くのタイトルを開発し、世界の人々を魅了してきました。本展は、カプコンのゲームクリエイションに注目し、その原点から最新の技術まで、総合的に紹介する初の展覧会です。
開発者たちの「手」による企画書や原画、ゲームタイトルの世界観を集約して伝えるポスターやパッケージなどのグラフィックワーク、ゲーム素材を活かした体験型コンテンツ、ゲーム制作を左右し日々進化するテクノロジーなど、ゲーム誕生の壮大なプロセスとそこに関わるクリエイターたちの想像力と実現力を惜しみなく展覧会という場に投入し、日本が誇るゲーム文化をあらためて捉えなおす機会を創出します。
(プレスリリースより)