首都圏で見られる「秋のおすすめ展覧会」をご紹介していますが、「首都圏だけでなく他の地方も」という声におこたえして、全国版もスタート。各地で9月・10月・11月に始まるおすすめ展覧会をご紹介します。
まず注目は、金沢で10月25日(日)に開館する国立工芸館(東京国立近代美術館工芸館)。日本海側に初めて誕生する国立美術館、明治建築を移転して活用する展示空間も楽しみです。
7月11日(土)にグランドオープンした弘前れんが倉庫美術館は、開館記念第2弾「小沢剛 オールリターン」。弘前ゆかりの近現代の人物「S.T.」を題材に新作を発表します。
京都は2つの展覧会をご紹介。京都国立博物館「皇室の名宝」では、宮内庁三の丸尚蔵館所蔵の名宝を中心に展示。京都でまとまって公開されるのは初めてというのは、ちょっと意外に思えます。京都国立近代美術館では「人間国宝 森口邦彦」。三越のショッピングバッグのデザインなど、友禅に留まらない森口邦彦の創作活動の全貌に迫ります。
3月に開幕予定だった国立民族学博物館「先住民の宝」は、半年以上遅れて開幕へ。世界に約3億7,000万人いるとされる先住民、その誇り・伝統・希望としての「宝」を展示します。
「MIND TRAIL」は、奈良県の3つの地域(吉野町、天川村、曽爾村)で開催される芸術祭。広大な地域を舞台に、時間をかけて歩くため、複数泊が必要です。プロデューサーはライゾマティクスの齋藤精一氏。
東京からも近くですが、水戸芸術館の「道草展」も面白そう。人間と環境のつながりを考える現代美術展、国内外、6組のアーティストの作品が展示されます。
福岡展、札幌展が中止になった「ライデン国立古代博物館所蔵 古代エジプト展」は、愛知展でついに開幕へ。12点の棺を「立てた状態で立体的に展示する」という珍しい手法が楽しみです。
その古代エジプト展は中止になった北海道立近代美術館ですが、「諸星大二郎展」が今秋開催。独創的な作風で多くの分野に熱狂的なファンを持つ漫画家の、デビュー50周年記念展です。
高知県立美術館では「隈研吾展」が開催予定。高解像度映像のインスタレーション、微速度撮影動画など、最先端技術や映像も駆使しながら、作品の全貌を紹介していきます。
8月中旬現在で展覧会の開催は確認していますが、今後の感染状況の広がり次第では、中止や会期変更などの可能性も少なくありません。詳細は必ず公式サイトでご確認ください。