20世紀最高の物理学者とも言われるアインシュタインがノーベル賞を受賞して今年でちょうど100年。それを記念した展覧会が大阪市自然史博物館で開幕しました。
展示風景
アインシュタインといえば、「相対性理論」。とまでは知っているけど、それを説明して、なんて言われると困ってしまいます。本展では、アインシュタインの人物像やどのような研究をしたかなど、楽しみながら理解できるよう紹介されています。
展示風景
1879年ドイツ生まれのアインシュタイン。幼いころから大学をでて仕事に就くまでを中心に彼の人柄がわかるエピソードが紹介されています。幼い頃はなかなか言葉が話せず両親が病院へ連れて行ったこと、中学時代は学校に馴染めなかったことなど意外な一面に驚きます。

3歳の頃の写真がSNS風に紹介
その反面、父親にもらった方位磁石が常に同じ方向を示すことに感動したことや、知恵の輪でよく遊んでいたことなどは、私たちが知るアインシュタインの片鱗を垣間見せてくれます。紹介されているエピソードを読みながら、雲の上の「天才」を徐々に身近に感じていきます。

プリンストン高等研究所の風景を再現
アインシュタイン展の大きなみどころは、1905年26歳のときに生まれた「光電効果の理論」「ブラウン運動の理論」「特殊相対性理論」と、1915年に発表した「一般相対性理論」の4つの理論をマンガ、資料やゲームを通して体感でき、子どもから大人までが楽しめることです。

展示風景

マンガで説明されているアインシュタインの研究
例えば「天体になって宇宙を歩こう」という暗い部屋の地面にはまっすぐなマス目が映し出されています。一歩踏み込むと、「あれ?」マス目がゆがんでいきます。そう、「重力とは時空のゆがみである」という「一般相対性理論」を体験できるのです。
自分の動きで空間にゆがみがうまれ、そのゆがみによって光の動きにも影響を及ぼしていることがわかります。部屋の中をぐるぐる回りながらワクワクします。

「天体になって宇宙を歩こう」幻想的な空間を体感

不思議な現象にびっくり

マス目がゆがむのはなぜ?
その他、ボールを的に当て、タイミングよく電子を飛び出させ点数を競うゲームから「光電効果」を学び、光るマスを追ってスタートからゴールへ決められた歩数でたどり着けるかを競うゲームでは「ブラウン運動」を体験できます。

ボールをあてて点数を競います

遊びながら「ブラウン運動」を体験
もちろん小さいお子さんには、これらのゲームがアインシュタインの理論に結び付くなんて理解することは難しいでしょう。しかしゲームを楽しんだ経験が「科学」への興味への一歩となり、彼や彼女の人生を色濃くしてくれるかもしれません。
展覧会ではアインシュタインが残した数々の名言も紹介されています。大人の私たちにとっても、人生100年時代を生きるヒントが詰まっているようなものばかりで、改めてアインシュタインの偉大さを感じるのでした。
子供も大人もそれぞれが学ぶことのできる展覧会。この夏をきっかけに科学の魅力、アインシュタインの魅力に触れてみてはいかがでしょうか。

アインシュタインの名言があちらこちらに

展示風景

こんなゲームも!

緑に囲まれた博物館
[ 取材・撮影・文:カワタユカリ / 2021年7月16日 ]
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