「ロンドン・ナショナル・ギャラリー」展へ
《ヴァージナルの前に座る若い女性》ヨハネス・フェルメール 1670-72年頃 油彩・カンヴァス 51.5×45.5cm ©The National Gallery, London. Salting Bequest, 1910
ロンドンを訪れたことがあるなら、トラファルガー広場に立ち寄った方も多いかもしれません。トラファルガー広場に面して建っているのが、ロンドン・ナショナル・ギャラリーです。
ロンドン・ナショナル・ギャラリー所蔵の傑作61作品を、大阪に居ながら間近に見ることができる、またとないチャンスです。喜び勇んで、珠玉のヨーロッパ絵画を堪能してきました。
1824年の設立以来、ロンドン・ナショナル・ギャラリーは、13世紀後半から20世紀初頭までの名品2300点余を所蔵しています。
今回の展覧会では、選りすぐりの61点が展示されていますが、そのようにまとまって貸し出されるのは、全世界で初めてのことだそうです。
そのうえ、展示されている61点すべてが、日本初公開というのですから、美術好きは言うに及ばず、そうでなくても「観るっきゃない」でしょう!
イタリア・ルネッサンスから印象派まで ヨーロッパ美術史を体感!
今回の展覧会は、7つの章構成になっています。ルネサンス以降、「イギリスとヨーロッパ大陸の交流」という視点から、西洋美術史、ヨーロッパ絵画史を読み解けるようになっています。
「たくさんの名画を観たなというだけでなく、イギリスが、オランダ、スペイン、イタリア、フランスの美術をどう観たのか」を感じ取れる構成になっています。
レンブラント、フェルメールが一堂に!
ロンドン・ナショナル・ギャラリーのオランダ絵画のコレクション数は、オランダ本国を除けば、世界中で最も充実しています。
「フェルメール」展を開けば、大挙して人が集まるように、日本人は、とてもフェルメールが大好きです。
今回は、フェルメール最晩年の《ヴァージナルの前に座る若い女性》をじっくり観るという至福の時間を楽しめます。
イギリスの風景画といえば、ターナー!
《ポリュフェモスを嘲るオデュッセウス》 ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー 1829年 油彩・カンヴァス 132.5×203cm ©The National Gallery, London. Turner Bequest, 1856
風景画家ターナーは、イギリス美術を代表する巨匠のひとりです。イギリスの美術において、風景画が占める比重はとても大きいです。ターナーは、ロンドン・ナショナル・ギャラリーに展示されることを想定して、彼の作品全19000点を寄贈しているそうです。
イギリスの風景画がどのように展開していったのかを目の当たりにすることができます。
印象派の作品が贅沢に並ぶ一室!
ゴーガンの、モネの、セザンヌの、ルノワールの、ドガの、綺羅星のような作品が、優雅に配された一室があります。
印象派好きには、「ずっとそこで絵を観ていたい」と思わせる部屋です。じっくり堪能してください。
ゴッホの《ひまわり》を間近に鑑賞!
《ひまわり》フィンセント・ファン・ゴッホ 1888年 油彩・カンヴァス 92.1×73cm ©The National Gallery, London. Bought, Courtauld Fund, 1924
最後の一室は、ゴッホの《ひまわり》だけの部屋です。ゴッホは、7作の《ひまわり》の絵を描いていますが、これは、4作目で、最高の出来だと言われています。日本の保険会社が高額で競り落とした《ひまわり》は、5作目で、4作目を基に描かれたとも言われています。
そんな《ひまわり》を間近に鑑賞できるなんて、夢のようです。
今回の「ロンドン・ナショナル・ギャラリー」展も、今年の展覧会の例にもれず、7/7~10/18に開催される予定でしたが、11/3~来年1/31までに会期が変更になりました。
せっかく開催にこぎつけられた「ロンドン・ナショナル・ギャラリー」」展、大いに楽しみましょう!
[ 取材・撮影・文:atsuko.s / 2020年11月2日 ]
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