2015年2月16日(月)、東京国立博物館は、文化財用CTスキャナー3台で構成するCTシステムを報道陣に公開した。
医療や工業分野での使用が知られているCTは文化財研究においても活用が進んでいるが、九州国立博物館、九州歴史資料館、奈良文化財研究所など西日本のみに限られ、東日本では理化学研究所や国立科学博物館など自然科学系の施設にはあるものの、人文科学系の施設は保有していなかった。
導入されたエクスロン(YXLON)社製のCTは、直径2.5mの大型文化財まで撮影できる「垂直型エックス線CTスキャナー」、文化財を寝かせたまま撮影できる「水平型エックス線CTスキャナー」、細かな観察撮影ができる「微小部観察用エックス線CTスキャナー」で、文化財用としては最新鋭かつ世界最大級。従来のエックス線調査より文化財の構造を3次元的に捉えることが容易になる事から、今後、文化財の調査研究や保存修復に活用される。
記者発表では、東京国立博物館が所蔵する《パシェリエンプタハのミイラ》をCT撮影した画像も公開。従来のエックス線撮影では不鮮明だった下腹部の塊が、ミイラ作成時の詰め物であった事など、鮮明な撮影から得られた調査結果が発表された。
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