公益財団法人大川美術館は、2013年4月に開館25年を迎えます。これを機に、当館コレクションの根幹をなす大川栄ニコレクションより代表作品約200点を一同に会し、大川美術館コレクション源流の粋をおたのしみいただきます。
1989年4月20日に開館した当館は、桐生市出身の企業人・大川栄二氏(1924-2008)が約35年間に蒐集したコレクションおよそ1,200点でスタートしました。松本竣介(1912-1948)、野田英夫(1908-1939)の80点あまりの作品を主軸とし、日本近現代の絵画・彫刻、とくに彼らとかかわりのあった国内外の画家の作品群に当コレクションの特徴をみることができます。大川美術館は、開館以降も蒐集の幅を広げ、さらに寄贈作品も加わるところとなり、現在約7,000点のコレクションに至っています。
本展では、「常設展示」を活動の軸足としてきた当館の本来的な姿を自らに問い返す機会とします。展示室は「日本近代洋画の鳥ロ敢」「野田英夫・国吉康雄・清水登之」「松本竣介記念室」「日本の抽象」「海外の作品」という、あえてベーシックな展観とし、鑑賞者にとらわれのない感覚で作品と向かい合う時間をご堪能いただきます。今、大川美術館の源流を見つめなおすことで、「美術館」という場のあるべき姿を再考する機会となれば幸いです。