フランスの彫刻家フランソワ・ポンポンの回顧展。
ポンポン初期の作品から 1922 年のサロンで大絶賛を受けた代表作≪シロクマ≫を生み出し、名声を確立していくまでの 彼の作品と生涯の魅力に迫ります。
オルセー美術館にある実物大の巨大 彫刻≪シロクマ≫を作り、その他多くの動物をモデルに彫刻を生み出した フランソワ・ポンポンは、20世紀初頭のアール・デコ期に人気を博した動物彫刻家です。彼の作品の特徴は、鳩や猫、犬など身近な動物から豚や牛など農場でみる家畜、キリンやヒグマ、シロクマなど動物園でみることが多い 異国の動物まで、その生態を詳しく観察し、極限まで細部をそぎ落としシンプルでなめらかな造形にした点です。
大部分の作品が18cmから28cmと比較的小型で愛らしさ を兼ね備えています。ユーモラスなオラン・ウータンの表情、茶目っ気のあるペリカン、太陽の下であくびをするカバなど、幸福さをたたえたポンポンの彫刻は生きる喜び を体現していて見る人に幸せな気持ちと微笑みをもたらします。
当展覧会は、ポンポンの本国フランスからの特別出品として、ポンポンが建築と彫刻の基礎を学んだ美術学校があり、ポンポン最大の支援者であったディジョン市のディジョン美術館、出生地ソーリューにあるフランソワ・ポンポン美術館、パリのオルセー美術館、そして国内でまとまった数のコレクションをもつ群馬県立館林美術館の約90点の作品で構成、彼の制作の全貌をたどる日本初の回顧展です。