先代は企業ミュージアムの先駆け
明治の昔から約140年の歴史を誇る大手総合電機メーカー、東芝。以前は同じ川崎市に東芝科学館という企業ミュージアムがあった事をご存じの方もいるかもしれません。
前身の東芝科学館は、なんと東京五輪より前の1961年に開館。今でこそ企業がミュージアムをつくるのは珍しくありませんが、この時代の取り組みとしてはかなり先進的。まさに日本の企業ミュージアムの草分けといえる存在でした。
東芝科学館は2006年に来館者800万人を達成するなど多くのファンに親しまれましたが、開館から半世紀以上を経た事もあって、2013年に惜しまれながら閉館。かわって設けられたのが、今回ご紹介する東芝未来科学館です。
新しい東芝未来科学館は、場所も川崎駅前のラゾーナ地区に移転。以前は川崎駅からのアクセスがやや不便でしたが、新しいミュージアムはJR川崎駅に隣接。雨天でも気軽に訪れる事ができます。
歓声があふれる3つのゾーン
館内は3つのゾーンで構成されています。エントランス近くのウェルカムエリアでは、横9mの大型スクリーンで東芝が目指す近未来の映像でご案内。センサーを使ったゲームも楽しめます。
右手のヒストリーゾーンは、東芝創業者の田中久重、藤岡市助が作った製品や、東芝が生んだ日本初・世界初の製品や技術を紹介。
施設のメインといえるのがフューチャーゾーン。6つのテーマごとに、最新の技術を使ったアミューズメント性あふれる装置が用意されています。
サイエンスゾーンには5種類の実験コーナーが。ステージでは連日、科学実験イベントが開催されています。
近未来をイメージしたデザインの館内には、いつでもこどもの歓声があふれています。
デートでも◎
開館後の出足は好調で、意識していたこどもたちはもちろん、外国からのお客様も多数。ファミリーから団体まで、さまざまの層に支持されています。
身近な科学を分かりやすく紹介するサイエンスショーのほか、小学校低学年生から中学生を対象にした"科学実験工房"など、イベントも開催。予約が必要なイベントは、事前にWebメンバーに登録しておくと簡単に申し込みできます。
これだけの施設にも関わらず、なんと入館料は無料というのもポイント(イベントは有料のものもあります)。隣接するラゾーナ川崎プラザはシネコンも入る大型ショッピングモールなので、デートでもオススメできるスポットです。
(取材:2014年5月28日 写真・文:インターネットミュージアム)
「科学館だからといって、堅苦しく考えないでください。まずは、楽しんでもらう事が一番です。その中で、少し科学に興味を持っていただければと思っています」 |  |

館内は大映像のウェルカムゾーンから。ヒストリーゾーンでは創業者ゆかりの品々や、東芝が製品化した数々の一号機を紹介。
フューチャーゾーンには大人も楽しめる機器がいっぱい。サイエンスゾーンでは科学館ではおなじみの静電気発生装置も楽しめます。