夏休みは帰省や旅行にあわせてミュージアムにお出かけください。首都圏以外で、6月~8月にはじまる展覧会の中から、アイエム編集部によるおすすめ10選をご紹介します。首都圏はこちらです。
南山城が育んだゆたかな歴史
京都府の最南部、奈良市に隣接する地域は旧国名の山城国にちなみ「南山城」と呼ばれています。 日本仏教の聖地だった南山城のゆたかな歴史や文化について再認識することができる 「聖地 南山城-奈良と京都を結ぶ祈りの至宝-」は、奈良国立博物館で7月に開催です。
奈良国立博物館「聖地 南山城-奈良と京都を結ぶ祈りの至宝-」
あふれ出る鮮烈なイメージの数々
見る者に鮮烈な印象を与える絵画を多彩なバリエーションで表した中園孔二(1989-2015)。卓越したセンスながら25歳の若さで亡くなった中園の過去最大規模の個展「中園孔二 ソウルメイト」が丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で開催します。
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館「中園孔二 ソウルメイト」
幻の博物館の正体
明治初頭から博覧会場として使われた名古屋に誕生した「愛知県博物館」。名を変えながら活動した愛知県博物館は、美術工芸や歴史だけでなく、産業技術博物館としての役割を果たしていました。愛知県美術館では忘れられてしまった博物館について考察する「幻の愛知県博物館」が開催されます。
愛知県美術館「幻の愛知県博物館」
北斎館が水族館に? [PR]
信州・小布施の北斎館は、この夏は水族館に変身?何でも描いた葛飾北斎の作品には、海の生き物を描いたものも数多くあります。北斎館「北斎“水族”館へようこそ」では、北斎が描いた魚などの作品を紹介。鯛、カレイなどよく知られたものから、クジラやシャチ、果ては海中にいると信じられてきた奇妙な生き物など、楽しい海の世界をお楽しみください。
北斎館「北斎“水族”館へようこそ」
北斎と信濃のかかわりとは
長野県立美術館でも葛飾北斎の作品を紹介します。実は、信濃と深いつながりをもっていたと言われる北斎。「葛飾北斎と3つの信濃―小布施・諏訪・松本―」では、「冨嶽三十六景」全46図をはじめとする錦絵の各揃物や貴美人画や花鳥画など数多の肉筆作品だけでなく、岩松院の天井絵「鳳凰図」関連作品も並びます。
長野県立美術館「葛飾北斎と3つの信濃―小布施・諏訪・松本―」
新宮晋とレンゾ・ピアノのダイナミックな歩み
大阪中之島美術館では「Parallel Lives 平行人生 — 新宮晋+レンゾ・ピアノ展」を開催。 関西国際空港で設計の際に出会ったレンゾ・ピアノと新宮晋。展覧会では、2人の現在進行形の創作活動とその世界観を紹介します。
大阪中之島美術館「Parallel Lives 平行人生 — 新宮晋+レンゾ・ピアノ展」
朝倉文夫の猫と巡る
日本の近代彫刻を牽引した、大分出身の作家・朝倉文夫。生誕140周年を記念して、大分県立美術館では猫の作品を中心とした朝倉の創作を振り返ります。「朝倉文夫生誕140周年記念 猫と巡る140年、そして現在」は6月9日から。
大分県立美術館「朝倉文夫生誕140周年記念 猫と巡る140年、そして現在」
異文化交流が生んだ美の姿 [PR]
静岡県磐田市で代々続いた豪農から譲り受けた、築250年の古民家を使ったシルクロードミュージアムでは、館蔵品展「仏と神々と人々 ガンダーラ」 が開催。多くの民族が侵入して興亡を繰り広げたガンダーラ。礼拝像や仏伝浮彫が多数製作され、今日まで膨大な数の作品が発掘されています。東西の異文化・異宗教が関係した地ならではの多彩な作品が見ものです。
シルクロードミュージアム 館蔵品展「仏と神々と人々 ガンダーラ」
前衛陶芸にせまる
1948年に八木一夫、叶哲夫、山田光、松井美介、鈴木治の5人で結成された「走泥社」は、会員を入れ替わりながら50年間にわたり日本の陶芸界を牽引してきました。京都国立近代美術館「走泥社再考 前衛陶芸が生まれた時代」では、走泥社における前衛陶芸の展開を紹介していきます。
京都国立近代美術館「走泥社再考 前衛陶芸が生まれた時代」
気鋭の4作家がつくりだす体験
豊田市美術館では、川角岳大、澤田華、船川翔司、関川航平の4名の作家を紹介。展覧会タイトルの「吹けば風」は、明治生まれの詩人・高橋元吉が詠んだ詩の一説からとったもの。得体の知れないものが花や風となるように、単なる現象が意味をもつ体験になる瞬間に注目します。
豊田市美術館「吹けば風」