2022年の夏も国外の美術コレクションや現代アート、ファッションを楽しめる展覧会が多く開催されます。東京を中心に首都圏で開催される、この夏おすすめの展覧会ベスト10をご紹介。全国版はこちら。
まずは、国立西洋美術館のリニューアルオープン記念展「自然と人のダイアローグ」を紹介。ドイツのフォルクヴァング美術館の協力をもと、2館のコレクションから印象派とポスト印象派を軸にドイツ・ロマン主義から20世紀絵画の100点を超える作品が展示されます。
東京国立近代美術館では、現代アートの巨匠、ゲルハルト・リヒターの待望の大規模個展が開催されます。具象絵画、抽象絵画、写真、映像など多岐にわたる制作活動を行ってきたリヒター。90歳を迎える2022年、「ゲルハルト・リヒター展」で60年にわたる画業を紹介します。
21_21 DESIGN SIGHTでは「クリストとジャンヌ=クロード展」もはじまります。2人は美術館や国会議事堂、海岸や山を布で覆うインパクトのある環境アート作品を生み出してきた活動の根源に焦点をあてます。展覧会は、2人の誕生日でもある6月13日からの開催です。
国立新美術館では「ルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡」を開催。ドイツ第4の都市、ケルン市が運営するルートヴィヒ美術館は、20世紀から現代までに特化した世界有数の美術館です。ドイツ表現主義やピカソ、ロシア・アヴァンギャルド、ポップ・アートが並びます。
7月にはボストン美術館から60点を展示する「ボストン美術館展 芸術×力」が開催。日本美術コレクションんの中でも傑出した二大絵巻が里帰りほか、エジプトのファラオやヨーロッパの王侯貴族や皇帝の彫刻や肖像画、宮廷を彩った装飾美術を楽しむことができます。2020年に新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となりましたが、東京会場のみ開催が実現しました。
明治時代に京都で多くの図案集を出版し、大正時代には夏目漱石らの本の装幀も手がけた津田青楓の図案をしょうかいする展覧会も開催されます。それまでの形にとらわれず自己の表現としても制作された、美術作品としての“図案”の世界を楽しめる「津田青楓 図案と、時代と、」は渋谷区松濤美術館で6月18日から。
ファッションが好きな方におすすめなのは、三菱一号館美術館での「ガブリエル・シャネル展」。ココシャネルの愛称で“20世紀で最も影響力の大きい女性デザイナー”と言われています。日本で32年ぶり回顧展として、ガリエラ宮パリ市立モード美術館で開催された「Gabrielle Chanel. Manifeste de mode展」を再構成したものです。
森アーツセンターギャラリーでは「特別展アリスーへんてこりん、へんてこりんな世界ー」を開催。アート、映画、音楽、ファッション、演劇、写真など様々なジャンルで表現されてきた『不思議の国のアリス』の世界とその広がりを紹介します。アリスに影響を受けたサルバトール・ダリや草間彌生らの作品も登場します。
日本の「もの派」を代表する作家、李禹煥(リ・ウファン)の大規模な回顧展も開催。李禹煥は、自然や人工の素材を節制の姿勢で組み合わせ提示する「もの派」を牽引した作家の1人です。国立新美術館「李禹煥展」では、これまでの作品から彼の想像の軌跡をたどるとともに、新作も出品される予定です。
開館15周年となる神奈川県・横須賀美術館では、12世紀末から13世紀初頭にかけて活躍した仏師・運慶を紹介。横須賀市内に残る運慶および運慶工房作と見られる仏像を中心に文化財を展示します。「運慶 鎌倉幕府と三浦一族」は7月6日から。