2022年、3月~5月に開催される展覧会やリニューアルオープンする全国の美術館、芸術祭をご紹介。首都圏の展覧会 ベスト10はこちら。
まずは、日中国交正常化50周年を記念として開催される「兵馬俑と古代中国」。秦漢両帝国の中心地域である関中の出土品を中心に約200点が展示されます。京都市京セラ美術館で3月から開催後、静岡、名古屋、東京に巡回します。
京都市京セラ美術館では、森村泰昌が秘蔵インスタント写真500点以上を含む作品から35年超のキャリアを総括する大規模個展「森村泰昌:ワタシの迷宮劇場」を開催中。森村が自作の小説を自ら朗読したCD《顔》の音源をもとに作り上げる展示室にも注目です。
“現代アートが大好き”な方にも“現代アートって何?”という方にもおすすめできるのは「国立国際美術館コレクション 現代アートの100年」。現代美術の巨匠やポップアートの旗手、日本を代表する現代作家まで名品約70点が広島県立美術館にて展示されます。
大阪と静岡では2つの美術館がリニューアルオープンします。先ずは、大阪の藤田美術館。明治時代に活躍した実業家、藤田傳三郎と、息子の平太郎、徳次郎によって収集された作品が並びます。
続いて、静岡県立美術館。リニューアル記念「大展示室展」では作品の展示はなく、展示室の様々な機能を一挙に紹介するユニークな試みです。ケ一スや台車、道具、照明等々、美術館の裏方を解き明かしていきます。
九州国立博物館では「特別展 北斎」を開催。寄贈された重要文化財「日新除魔図(宮本家本)」の全場面を日本で初めて一般に公開するほか、「冨嶽三十六景」や肉筆画「東町祭屋台天井絵」などの代表作も一堂にお楽しみいただけます。
弘前れんが倉庫美術館ではパリと日本を拠点に国際的に活躍する作曲家/アーティスト池田亮司を紹介します。テクノロジーを駆使し、光や音を用いて鑑賞者の感覚を揺さぶる没入型の作品が並ぶ「池田亮司展」は4月16日から。
岩手県立美術館では、1930年代から1945年にかけて東北地方を訪れ、建築や生活用品に注目した人々に焦点をあてる「東北へのまなざし 1930–1945」を開催。建築家ブルーノ・タウトや民藝運動を展開した柳宗悦、商工省に招聘されたシャルロット・ペリアンによる東北への“眼”を感じとれます。岩手の開催後、東京ステーションギャラリーにも巡回します。
ファッション好きな方におすすめしたいのは、大分県立美術館「コシノジュンコ 原点から現点」展。高校時代に描いたデザイン画や60年代のブティックの風景、70年の大阪万博のユニホームなど、コシノがファッションを通じて創出した世界観を解き明かします。
今年も開催される芸術祭際のうち、春から開催される注目の2つも紹介。4月14日から開催されるのは5回目となる「瀬戸内国際芸術祭2022」。“海の復権”をテーマに掲げ直島や豊島、小豆島などの島々でアートや建築を巡る芸術祭。春、夏、秋の3つのターンで会場が盛り上がります。
4月29日から開催されるのは「越後妻有 大地の芸術祭 2022」。2000年に第1回の芸術祭が開催されて以来、アーティストと地域住民の“協働”によってまちの魅力を発信し、地域活性化を繋げています。今回は37の国と地域のアーティストが参加し、100点以上の新作も加わります。