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    レポート
    開館120周年記念 特別展覧会 国宝
    京都国立博物館 | 京都府
    京博と国宝は同い年
    帝国京都博物館(現・京都国立博物館)の開館は、1897年5月1日。日本の法令で初めて「国宝」の名が使われた古社寺保存法の制定も、1897年6月10日。同い年の京博と国宝は、今年でちょうど120歳になりました。展示品はすべて国宝、日本美術ファン垂涎の注目展が京都国立博物館で開催中です。
    (手前)《深鉢形土器(火焔型土器)No.1》縄文時代 新潟・十日町市(十日町市博物館保管)[展示期間:10/3~10/29]
    (左から)《吉祥天像》奈良時代 8世紀 奈良・薬師寺[展示期間:10/3~10/15] / 《釈迦金棺出現図》平安時代 11世紀 京都国立博物館[展示期間:10/3~10/22]
    (左から)《六道絵》のうち譬喩経説話図 / 人道不浄相図 / 等活地獄図 / 閻魔王庁図 鎌倉時代 13世紀 滋賀・聖衆来迎寺[展示期間:4点とも 10/3~10/15]
    (左から)《慧可断臂図》雪舟筆 室町時代 明応5年(1496)愛知・斉年寺[展示期間:10/3~10/22] / 《天橋立図》雪舟筆 室町時代 16世紀 京都国立博物館[展示期間:10/3~10/22]
    (奥)《楓図壁貼付》長谷川等伯筆 桃山時代 16世紀 京都・智積院[展示期間:10/3~10/22] / (手前)《志野茶碗 銘 卯花墻》桃山時代 16~17世紀 東京・三井記念美術館[全期間展示]
    (左手前から)《大日如来坐像》平安時代 12 世紀 大阪・金剛寺[全期間展示] / 《不動明王坐像》行快作 鎌倉時代 天福2年(1234)大阪・金剛寺[全期間展示]
    (手前)《玳玻天目》中国・南宋時代 12世紀 京都・相国寺[展示期間:10/3~10/15] / (奥)《墨蹟》無学祖元筆 鎌倉時代 弘安2年(1279) 京都・相国寺[展示期間:10/3~10/15]
    《信貴山縁起絵巻》(山崎長者巻)平安時代 12世紀 奈良・朝護孫子寺[展示期間:10/3~10/15]
    (手前)《赤韋威鎧》平安時代 12世紀 岡山県(岡山県立博物館保管)[展示期間:10/3~10/15]
    現在、国宝に指定されている美術工芸品は885件。本展では210件が展示されるので(会期中通して)、約4分の1が京都国立博物館に集結するという超豪華な展覧会です。

    3階から1階へと進む会場では、ジャンル別の構成。3階は「書跡」と「考古」です。

    1期の書跡は《古今和歌集》(平安時代)や《土佐日記》(鎌倉時代)など。3期では飛鳥時代から安土桃山時代の書跡まで展示されますが、時代の幅が大きいのは書跡の特徴のひとつです。

    考古では《深鉢形土器(火焔型土器)》が登場。先史美術を代表する華麗な装飾で、縄文土器の最高峰。新潟県外で公開されるのは実に16年ぶりです。


    会場3階

    2階は「仏画」「六道と地獄」「中世絵画」「近世絵画」「中国絵画」です。

    圧巻は、雪舟の国宝6件が1室に揃った「中世絵画」。反時計回りで《秋冬山水図》《山水図》《破墨山水図》《四季山水図巻(山水長巻)》《慧可断臂図》《天橋立図》と並び、担当の学芸員も「この部屋で寝てみたい」と興奮を抑えられない様子でした(6件揃うのは10月22日まで)。

    あたりまえですが、全て国宝なので一つ一つが美しい事は言うまでもありませんが、展示の取り合せにも注目。長谷川等伯《楓図壁貼付》に《志野茶碗 銘 卯花墻》と、桃山時代の名品を前後に配するなど、心憎い演出もお楽しみいただけます。


    会場2階

    1階は「彫刻」「陶磁」「絵巻物と装飾経」「染織」「金工」「漆工」。陶磁の部屋では、国宝に指定されている陶磁器は14点しかありませんが、ここでも墨蹟と合わせる事で、茶の湯の美意識を空間全体で感じる事ができます。

    絵巻物は《信貴山縁起絵巻》(全3巻)を1~3期で1巻ずつ展示。金工では仏具とともに鎧(大鎧)と太刀の展示で、武家の装飾美も示されます。展覧会最後の漆工には、沖縄県唯一の国宝である《琉球国王尚家関係資料》。王家の儀礼で使われた格調高い調度品です。


    会場1階

    会期が細かく分かれているため、いつ見に行くか迷うところ。前述した「雪舟の国宝6件」以降も、10月24日(火)~11月12日(日)は、長谷川等伯《松林図屏風》と長谷川久蔵《桜図壁貼付》という親子の競演。11月14日(火)~26日(日)は、18世紀の京都で生まれた尾形光琳《燕子花図屏風》、円山応挙《雪松図屏風》、与謝蕪村《夜色楼台図》がそろい踏み(燕子花図屏風は約100年ぶりに京都へ里帰り)します。

    これだけの展覧会ですから、ある程度の混雑はやむを得ないです。少しでもロスを減らすため、チケットをお求めの上での来館を強くお勧めいたします。

    [ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2017年10月2日 ]

     Ⅰ期 10月3日(火)~10月15日(日)
     Ⅱ期 10月17日(火)~10月29日(日)
     Ⅲ期 10月31日(火)~11月12日(日)
     Ⅳ期 11月14日(火)~11月26日(日)

    日本人なら、一度は見ておきたい国宝日本人なら、一度は見ておきたい国宝

    ディスカバージャパン編集部 (編集)

    エイ出版社
    ¥ 2,160

    料金一般当日:1,500円
     → チケットのお求めはお出かけ前にicon


    ■京都国立博物館 国宝 に関するツイート


     
    会場
    会期
    2017年10月3日(火)~11月26日(日)
    会期終了
    開館時間
    9:30~17:00
    (入館は閉館30分前まで)
    ※特別展期間中は延長あり
    休館日
    月曜日 ※ただし10月9日(月)は開館、10日(火)休館
    住所
    京都府京都市東山区茶屋町527
    電話 075-525-2473(テレホンサービス)
    公式サイト http://kyoto-kokuhou2017.jp/
    料金
    一般 1,500円(1,300円)
    大学生 1,200円(1,000円)
    高校生 900円(700円)

    *( )内は団体20名以上。
    ※中学生以下、障がい者とその介護者1名は無料となります(要証明)。
    ※大学生・高校生の方は学生証をご提示ください。
    ※キャンパスメンバーズは、学生証をご提示いただくと団体料金になります。
    展覧会詳細 「開館120周年記念 特別展覧会 国宝」 詳細情報
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