
ここはヨーロッパの邸宅?またはどこかのテーマパーク?
いえいえ、これは和歌山県のミュージアムです。
2020年7月1日にオープンしたばかりの、川久ミュージアムに行ってきました。

中も凄いです
建物は1989年に建設された「ホテル川久」。バブル絶頂期に建てられ、総工費はなんと400億円。
創業当時からホテルにはインテリアや絵画など世界各地で買い付けられたアートがありましたが、このたびミュージアムとしての公開される事になったのです。
まずは建物の尖塔部にあるうさぎの像から。イギリスの彫刻家、バリー・フラナガンの作品です。

バリー・フラナガン《うさぎ》は、建物の左右にあります
ちなみにバリー・フラナガンの作品は、ここを訪れる前に立ち寄った和歌山県立美術館にもありました。

こちらは和歌山県立美術館にあった、バリー・フラナガン《ねじまがった釣鐘の上を跳ぶ野兎》
建物に入ると、広々としたロビーは金箔の天井。フランスの人間国宝に認定されたロベール・ゴアールが、5cm四方の金箔を1枚ずつ貼り付けた、との事。

スケール感が分かりにくいですが、天井高はかなり高いです。
青い柱を手掛けたのは、左官職人の久住章。ドイツで習得した「シュトックマルモ」技法を使っています。

「シュトックマルモ」の柱
ロビーにはオーナーが集めた骨董コレクションが。

清時代の骨董の数々
2階に進んで、回廊状の通路から見下ろすとこんな感じ。各所が装飾であふれています。


壁面にはダリや横山大観らの絵画も展示されています。

最大の見どころは、洋宴会場の天井画。イタリアのジョルジオ・チェリベルティが描きました。写真では分かりにくいですが、右奥の扉もかな大きな扉です。思わず息をのむような空間でした。

天井画のテーマは「愛と自由と平和」
こちらは和室の宴会場。天井のシャンデリアは、川久が旅館だったころに使用されていたもの。奥の絵画は中尾淳が手がけました。



上下が分かりにくい写真ですが、照明はインゴマウラー、壁面にはヘンリー・ムーアの絵画があります。



他にも見どころはたくさんありますが、これだけでもお腹いっぱいではないでしょうか。
十分すぎる空間を満喫した後、「夢の城」を後にしました。

[ 取材・撮影・文:P. K-KO / 2020年7月5日 ]
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