IM
    レポート
    怪獣とアートの交差点 ― 「ゴジラ・THE・アート展」(取材レポート)
    森アーツセンターギャラリー | 東京都
    70年にわたるゴジラの多面性に、国内外のアーティストが多様な表現で迫る
    福田美蘭、風間サチコ、小谷元彦などが参加。ゴジラの文化的意義を深堀り
    会場は破壊された展示空間。展示そのものが“ゴジラの存在”を訴える装置

    1954年、東宝映画『ゴジラ』で初登場して以来、圧倒的な存在感で怪獣の代名詞となったゴジラ。日本のみならず、世界中で高い人気を誇っています。

    そんなゴジラを、国内外の第一線で活躍するアーティストたちが多彩なアプローチでアートとして表現する「ゴジラ生誕70周年記念 ゴジラ・THE・アート展」が、現在、森アーツセンターギャラリーで開催中です。


    森アーツセンターギャラリー「ゴジラ・THE・アート展」会場入口
    森アーツセンターギャラリー「ゴジラ・THE・アート展」会場入口


    本多猪四郎が監督し、円谷英二が特殊技術を務めた『ゴジラ』(通称:初代ゴジラ)。東京に上陸し破壊の限りを尽くすその姿は、単なるこども向けの怪獣映画の枠にとどまらず、戦後日本の不安や社会状況を映し出す象徴的な存在として語り継がれ、以降の日本文化に深い影響を与えてきました。

    会場に入るとエントランスゲートから圧巻。まるでゴジラによって破壊されたかのような空間設計からスタートします。


    森アーツセンターギャラリー「ゴジラ・THE・アート展」会場より
    森アーツセンターギャラリー「ゴジラ・THE・アート展」会場より


    展覧会は、ゴジラという存在を通して、私たちの時代と感情、都市と記憶、そして芸術の本質に迫ろうとするもの。28組のアーティストが参加。絵画をはじめ彫刻、写真、映像など、ジャンルを超えた作品が一堂に会します。


    森アーツセンターギャラリー「ゴジラ・THE・アート展」会場より 川田喜久治《ロス・カプリチョス インビジブル》© Kikuji Kawada, Courtesy PGI
    森アーツセンターギャラリー「ゴジラ・THE・アート展」会場より 川田喜久治《ロス・カプリチョス インビジブル》© Kikuji Kawada, Courtesy PGI

    森アーツセンターギャラリー「ゴジラ・THE・アート展」会場より 森アーツセンターギャラリー「ゴジラ・THE・アート展」会場より 小谷元彦《the One ― 呉爾羅 (仮設のモニュメント6)》TM & © TOHO CO., LTD. ©Motohiko ODANI
    森アーツセンターギャラリー「ゴジラ・THE・アート展」会場より 小谷元彦《the One ― 呉爾羅 (仮設のモニュメント6)》TM & © TOHO CO., LTD. ©Motohiko ODANI


    会場には、参加アーティストそれぞれの視点で表現されたゴジラが並びます。ユーモアや皮肉を交えた作品、禍々しさを前面に押し出した作品、都市や人間社会との関係性を探る作品など、アプローチは実に多様。個性あふれる表現が、ゴジラという存在の多面性を浮かび上がらせます。


    森アーツセンターギャラリー「ゴジラ・THE・アート展」会場より
    森アーツセンターギャラリー「ゴジラ・THE・アート展」会場より

    森アーツセンターギャラリー「ゴジラ・THE・アート展」会場より
    森アーツセンターギャラリー「ゴジラ・THE・アート展」会場より

    森アーツセンターギャラリー「ゴジラ・THE・アート展」会場より
    森アーツセンターギャラリー「ゴジラ・THE・アート展」会場より


    会場最後に登場するのが、ゴジラとアートが融合した会場限定のジオラマ。東宝映像美術による圧巻の造形で、本展のために制作された特別映像とともに展示されています。映像と立体が呼応しながら、観る者を“ゴジラの世界”へと没入させていきます。


    森アーツセンターギャラリー「ゴジラ・THE・アート展」会場より
    森アーツセンターギャラリー「ゴジラ・THE・アート展」会場より


    アートを通して再解釈されたゴジラの姿に出会える本展は、怪獣ファンはもちろん、現代アートに関心のある人にもおすすめ。

    人類が生んだ“想像力の怪獣”の現在地を、ぜひ会場で目撃してみてください。

     [ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2025年4月25日 ] 

    TM & © TOHO CO., LTD.

    森アーツセンターギャラリー「ゴジラ・THE・アート展」会場より
    森アーツセンターギャラリー「ゴジラ・THE・アート展」会場より
    会場
    森アーツセンターギャラリー
    会期
    2025年4月26日(土)〜6月29日(日)
    開催中[あと62日]
    開館時間
    10:00~19:00
    ※4月26日(土)~5月6日(火)までの全日、金曜日・土曜日は20:00まで
    ※入館は閉館の30分前まで
    休館日
    会期中無休
    住所
    〒106-6152 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52階
    電話 03-6406-6652(10:00〜20:00)
    公式サイト https://godzillatheart.com/exhibition
    料金
    一般、大学生・専門学校生 平日:2,200円 / 土日祝:2,500円
    高校・中学生 平日:1,500円 / 土日祝:1,600円 1,000円
    4歳〜小学生 平日:500円 / 土日祝:600円
    展覧会詳細 「ゴジラ・THE・アート展」 詳細情報
    おすすめレポート
    学芸員募集
    新居浜市美術館 学芸員募集中 [あかがねミュージアム(新居浜市美術館および新居浜市総合文化施設)]
    愛媛県
    東山旧岸邸 正社員・契約社員 募集! [東山旧岸邸]
    静岡県
    鎌倉 報国寺 学芸員募集(正職員) [報国寺]
    神奈川県
    【新卒/経験者OK】都内環境啓発施設、常勤スタッフ(コーディネーター)募集中! [武蔵野市環境啓発施設「むさしのエコreゾート」、エコギャラリー新宿(新宿区立環境学習情報センター・区民ギャラリー) など]
    東京都
    国⽴国際美術館 研究補佐員(情報資料室)募集 [国立国際美術館]
    大阪府
    展覧会ランキング
    1
    アーティゾン美術館 | 東京都
    クロード・モネ -風景への問いかけ
    開催まであと285日
    2026年2月7日(土)〜5月24日(日)
    2
    松屋銀座 | 東京都
    誕生70周年記念 ミッフィー展
    もうすぐ終了[あと14日]
    2025年4月23日(水)〜5月12日(月)
    3
    国立西洋美術館 | 東京都
    西洋絵画、どこから見るか?―ルネサンスから印象派まで
    開催中[あと41日]
    2025年3月11日(火)〜6月8日(日)
    4
    東京国立博物館 | 東京都
    イマーシブシアター 新ジャポニズム ~縄文から浮世絵 そしてアニメへ~
    開催中[あと97日]
    2025年3月25日(火)〜8月3日(日)
    5
    東京都美術館 | 東京都
    ミロ展
    開催中[あと69日]
    2025年3月1日(土)〜7月6日(日)