国勢調査で国民の97%が「幸せ」と回答し、世界を驚かせたブータン王国。2011年に王妃とともに来日した「イケメン国王」こと、ジグメ・ケサル・ナムギャル・ワンチュク国王が印象に残っている方も多いと思います。
展覧会にはブータン王国国立博物館など3館が協力。ブータンの伝統や文化に焦点を当てた大型展は初開催となります。
ブータンの伝統的な工芸品として紹介されているのが、権力の象徴である刀、金銀に宝石をあしらった装身具、そして民族衣装など。女性の民俗衣装は大きな長方形の布「キラ」、男性は丹前のような「ゴ」です。
第1章「ブータン的生活様式」ブータンには7世紀に仏教が伝来しました。寺院は全土に点在し、チベット系大乗仏教は国教になっています。
ブータンの人々にとって、祈りは生活の一部。階級に関わらず、ブータンの家庭には必ず仏壇を設けた特別な部屋があり、仏像やタンカ(仏画)が祀られています。
出展されている法具や仏像・タンカなども、ブータン王国国立博物館では仏壇を設けた特別な収蔵庫で保管。博物館で展示されると祈る人も多く、美術や歴史資料ではなく、信仰の対象として敬われています。
第2章「ブータン仏教と信仰」会場2階の奥ではブータン王室コレクションも展示されています。
ブータン王国は1907年にウゲン・ワンチュクが政権を統一し、初代国王として即位した事によって成立。現国王は第5代国王となります。
初代国王の帽子や、二代国王の衣装などとともに、現国王とジェツン王妃の衣装も特別出展。東日本大震災後初の国賓として来日したおふたりは被災地にも足を運ばれ、大きく報じられました。おふたりの間には今年2月、待望の第一王子(男児)が誕生しています。
第3章「愛される王室」会場最後には体験コーナーもあります。
太い柱のような円筒は、マニ車。ブータンでは市内やお寺などに良く見られ、内部には経文が書かれた紙が入っており、1回まわすとそのお経を1回読んだ事になるとされます。「キラ」や「ゴ」を着ての体験が可能、このエリアは撮影もOKです。
「マニ車」は体験可能です「幸せに生きる」は、誰もが望む普遍的なテーマ。ブータンのような暮らしを、現代の私たちがそのまま導入する事は難しいとしても、そのスタイルには多くのヒントが隠されているようにも思います。
展覧会は上野を皮切りに全国巡回します。
会場と会期の詳細はこちらです。[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2016年5月20日 ]※ブータン政府は観光旅行に際して「公定料金」を設けており、6~8月なら1人1日240ドルですが、なんと本年6~8月に限って公定料金を撤廃(日本人のみの特別オファーです)。
詳しくはこちらをご確認ください。■ブータン しあわせに生きるためのヒント に関するツイート