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    レポート
    特別展「黄金のアフガニスタン-守りぬかれたシルクロードの秘宝-」
    東京国立博物館 | 東京都
    「鍵の番人」が死守した秘宝
    1979年のソ連による軍事介入以降の混乱で、壊滅的な被害を受けたアフガニスタン国立博物館。失われたと思われていた文化財は、博物館の職員たち(通称:鍵の番人)が秘かに守り続けていました。感動のストーリとともに再び世に現れた秘宝の数々が、東京国立博物館 表慶館で公開されています。
    《冠》1世紀第2四半期
    《幾何学文脚付杯》前2100~前2000年頃 / 《杯断片》前2100~前2000年頃
    《椅子の脚(部分)》前145年以前 / 《女性立像》前145年以前
    《十字形装飾板》前3世紀初め / 《人面付三日月形装飾板》前145年以前 / 《胸像付鋺把手》前145年頃
    ティリア・テペ 1号墓から出土した装身具 1世紀第2四半期
    《短剣三本入鞘》 / 《短剣用鞘飾》 / 《金製柄付短剣》 いずれも1世紀第2四半期
    《脚付彩絵杯》 / 《脚付彩絵杯》 いずれも1世紀
    《ゼウス神像左足断片》前3世紀
    《壁画 仏陀座像》 / 《壁画 仏陀座像》 いずれも7~8世紀

    シルクロードの要衝に位置し「文明の十字路」と称されたアフガニスタン。多彩な文化が華開いたこの地には、多くの考古遺跡や遺物が残っています。


    重要な文化財の多くはアフガニスタン国立博物館に所蔵されていましたが、政治的な混乱の中で博物館は被災。タリバン政権はバーミヤーン大仏まで爆破し、世界に衝撃を与えました。


    とりわけ貴重な文化財を秘密裏に運び出したのは、勇気ある博物館職員たち。大統領府地下の金庫などに移し、家族にもその存在を明かさずに、14年もの間守り続けたのです。


    展覧会はアフガニスタンの文化遺産の復興を支援する国際巡回展。4カ所の遺跡から出土した至宝、約200件以上が紹介されています。


    第1章「テペ・フロール」、第2章「アイ・ハヌム」


    豪華な金製品が並ぶのは、3章「ティリヤ・テペ」。この地に侵入してきた遊牧民の王族が眠る黄金に彩られた墓で、1世紀頃の遺跡です


    展示品の中で最も目をひくのが、黄金の冠。樹木型の飾りは、奈良県藤ノ木古墳で出土した国宝・金銅製冠と似ています。このような形の冠は韓国南西部からも出土しており、古代オリエントからティリヤ・テペ→中国→百済→日本と伝わった可能性も指摘されています。


    第3章「ティリヤ・テペ」


    クシャーン帝国の夏の都として栄えたのが、ベグラム。孫悟空で知られる玄奘三蔵も、この地に立ち寄っています。


    この地で見つかったのは、インドの象牙製品、エジプトの石製品、アレキサンドリアのガラス製品、ローマの青銅器など。ローマ文化圏の製品は、海洋交易によってインド洋沿岸部にもたらされ、陸路を通ってベグラムに至ったと考えられています。


    第4章「ベグラム」


    今回の展覧会では、日本で「文化財難民」として保護・保管された品々も展示されています。


    流出文化財の保護に尽力したのは、シルクロードの作品で知られる日本画家の故・平山郁夫氏。平山氏はブラックマーケットに流れるアフガニスタンの文化財に心を痛め「流出文化財保護日本委員会」を設立。日本に流れついた文化財を保護するとともに、壁画片については展示に必要な保存修復も行ってきました。


    保護してきた文化財102件は、アフガニスタンへの返還が決定。会場には、うち15件が展示されました。


    第5章「アフガニスタン流出文化財」


    本展会場の東京国立博物館 表慶館に掲げられた「A nation stays alive when its culture stays alive」(自らの文化が生き続ける限り、その国は生きながらえる)は、再開を期してアフガニスタン国立博物館入口に掲げられたメッセージ。展覧会スペシャルナビゲーターの鈴木亮平さんが登場する、会場冒頭の映像も心を打たれます。


    [ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2016年4月11日 ]



    料金一般当日:1,400円
     → チケットのお求めはお出かけ前にicon


    ■黄金のアフガニスタン 守りぬかれたシルクロード秘宝 に関するツイート


    会場
    会期
    2016年4月12日(火)~6月19日(日)
    会期終了
    開館時間
    9:30~18:00
    ※総合文化展は17:00まで
    ※時期により変動あり
    いずれも入館は閉館の30分前まで
    休館日
    月曜日 (ただし5月2日(月)は開館)
    住所
    東京都台東区上野公園13-9
    電話 03-5777-8600(ハローダイヤル)
    公式サイト http://www.gold-afghan.jp/
    料金
    一般 1,400円(1,200円/1,100円)/大学生 1,000円(800円/700円)/高校生 600円(400円/300円) 中学生以下無料 *( )内は前売り/20名以上の団体料金 *障がい者とその介護者一名は無料です。入館の際に障がい者手帳などをご提示ください。
    展覧会詳細 「特別展「黄金のアフガニスタン-守りぬかれたシルクロードの秘宝-」」 詳細情報
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