2004年にオープンした「えのすい」こと
新江ノ島水族館は、今年でちょうど10周年。これまでの水族館にない新たなアプローチとして、プロジェクションマッピングを使った期間限定イベントが始まりました。
「深海《Deep Sea》」をテーマにコンテンツを制作したのは、東京駅の「TOKYO HIKARI VISION」(2012年)などで知られるネイキッド(NAKED Inc. 村松亮太郎代表)。ミュージアム関連でも、
東京国立博物館「特別展 京都」(2013年)のプロジェクションマッピングは記憶に新しいところです。
施設の入り口である相模湾ゾーンからプロジェクションマッピングはスタート。岩場のオブジェを舞台に、イベントの世界観を表した海の生物と光の世界のサウンドロゴがお出迎えします。
「ウェルカムマッピング」今回の企画は映像の投影だけではなく、人感センサーを使った演出もポイント。相模湾ゾーン通路の「生命の波」は、水槽を超えて溢れだしたような波の映像で、足元にご注目。スロープに設けられた「海中生物との戯れ」では、来館者が近づくと海の生物がついて来ます。
「生命の波」と「海中生物との戯れ」メインの展示が、相模湾大水槽を使った「深海世界のオアシス」。大水槽の湾曲面にあわせた半透明のスクリーンが降下し、周辺の壁面も使って幻想的な演出が繰り広げられます。
見る前は「水槽を使ったプロジェクションマッピング」が想像しにくかったのですが、さすがにネイキッド。通常とは異なり、背面(動く魚)も見せなければいけないという難しい課題を見事にクリアし、独特の世界観に昇華させています。
「深海世界のオアシス」隣のクラゲファンタジーホールでもプロジェクションマッピング「海月の宇宙」が実施中。常時14種のクラゲを紹介している人気のエリアに、光と音の演出が加わりました。
「海月の宇宙」日本が誇る有人潜水調査船「しんかい2000」を、2012年から常設展示しているえのすい。その雄姿も、プロジェクションマッピングの舞台になっています。20年以上にわたって活躍し、日本の深海研究の飛躍的な発展に貢献してきたヒストリーが紹介されます。
「しんかい2000の冒険」 ©JAMSTECナイトアクアリウムの開催にあわせ、オーシャンビューのデッキや「ウミガメの浜辺」も落ち着いたライティングに。2Fオーシャンカフェでは海を連想する美しいカクテルも登場しました(17:00から)。
ロマンティックな雰囲気は、夜の水族館ならでは
家族連れでにぎわう昼の水族館とはひと味違う、大人の水族館をお楽しみください。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2014年7月17日 ]■ナイトアクアリウム に関するツイート