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    レポート
    野中ユリ展 美しい本とともに
    神奈川県立近代美術館 鎌倉別館 | 神奈川県
    繊細な幻想の世界
    銅版画やコラージュなどの幻想的な作品で知られる野中ユリさん(1938~)。神奈川県立近代美術館に作品が寄贈されたことを記念し、鎌倉別館で展覧会が開催中です。
    《夢の地表III 泉・あるいはここからの光》1978年(左)
    《『別冊 現代詩手帖<特集 ルイス・キャロル>』のための表紙原画》1972年
    装丁本とともに過去のインタビュー記事なども並ぶ
    左から《妖精たちの森 I》1976年、《妖精たちの森 II》1977年、《妖精たちの森 III》1977年
    《『野中ユリ彩色版画 イリュミナシオン』II 神秘》1975年(右)
    会場
    右から《つましい者の神秘 I》1996-2002年、《つましい者の神秘 II》1995-2002年、《つましい者の神秘 V》1995-2002年
    《マルセル・プルーストと弟(連作「愛する芸術家たちの肖像」)》1996年(左)
    《凸面鏡の自画像 パルミジアニーノに》1979年(右)
    母親が画家だったこともあり、幼少期から芸術に親しんで育った野中ユリさん。評論家の瀧口修造や仏文学者の澁澤龍彦とも親しく交わる中で、独自の幻想的な世界を確立させていきます。

    本展では約120点を紹介。彩色された写真やデカルコマニーなども含め、さまざまなジャンルの作品が並びます。


    展覧会場には、彩色された写真やデカルコマニーなども

    野中ユリさんをご存じの方は、やはりコラージュ作品を思い浮かべる方が多いと思います。

    奇怪な植物、昆虫、少女…。夢の中のような繊細な作品にひき込まれます。


    《妖精たちの森 III》

    「夢の地表」は、野中ユリさんの代表作のひとつ。

    昨年、DIC川村記念美術館で開催された「FLOWERSCAPES フラワースケープ」展でも紹介されていました。


    「夢の地表」シリーズ

    会場では装丁の仕事も紹介されています。

    10歳の頃には宮澤賢治を愛読、高校生の頃にはフロイトの「夢判断」などを好んでいた早熟な文学少女だった野中ユリさん。文学はいつも野中ユリさんの近くにありました。


    装丁の作品

    文学者の中にも野中ユリさんの世界に引き込まれる人が多いようで、前述の澁澤龍彦もそうですが、近年では川上未映子さんも野中ユリさんへの思いをブログで熱烈に語っていました。

    本展の会場には女性の姿が多いそうで、取材時にも図録(1,000円)を2冊お求めの女性の方がいました。ちなみに図録は鎌倉別館のほか、鎌倉館葉山館のミュージアムショップでも販売中です。
    [ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2013年6月27日 ]

    妖精たちの森 ― 野中ユリ画集

    野中 ユリ (著), 澁澤 龍彦 (著)

    平凡社
     


    そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります

    川上 未映子 (著)、野中 ユリ (表紙・装画)

    ヒヨコ舎
    ¥ 1,890

     
    会場
    会期
    2013年6月8日(土)~9月1日(日)
    会期終了
    開館時間
    9:30~17:00(入館は16:30まで)
    休館日
    月曜日(ただし祝日および振替休日の場合は開館)
    展示替期間
    年末年始(12月29日~1月3日)
    住所
    神奈川県鎌倉市雪ノ下2-8-1
    電話 0467-22-7718
    公式サイト http://www.moma.pref.kanagawa.jp
    料金
    一般 250(150)円/20歳未満と学生 150(100)円/65歳以上と高校生 100円
    ※()内は20名以上の団体料金
    ※中学生以下と障害者手帳をお持ちの方は無料
    展覧会詳細 「野中ユリ展 美しい本とともに」 詳細情報
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