青山剛昌原作による漫画作品「名探偵コナン」。コミックスの累計発行部数は2.7億冊を超え、劇場版映画も毎回大ヒット。海外でも人気を集める超人気作品です。
『週刊少年サンデー』(小学館)での連載スタートが1994年5号なので、今年でちょうど30周年。記念の展覧会が、池袋・サンシャインシティ 展示ホールAで開催中です。
「連載30周年記念 名探偵コナン展」会場入口
展覧会はイントロダクションに続き6章構成。第1章「CONAN's Words」は、作品を通して紡がれてきた「名探偵コナン」のキャラクターたちの“言葉”に迫るエリアです。
会場各所には青山先生へのインタビューも紹介されています。セリフについては自然に思い浮かぶものではなく、ウロウロ歩き回ったり、実際に声に出して喋ってみたりと、苦労があるようです。
第1章「CONAN's Words」
第2章は「CONAN's Love」。「名探偵コナン」の魅力の一つとも言えるのが、“ラブコメ”要素。青山先生によると、最初から「殺人ラブコメ」にしようと企画していたそうです。
幼馴染のカップルが多い印象ですが、平次と和葉のカップルと、新一と蘭のカップルではやや異なるなど、差別化も工夫しています。
第2章「CONAN's Love」
第3章は「CONAN'S Mystery」。「名探偵コナン」に登場した様々な暗号やダイイングメッセージを特集しています。
証拠を消すトリックなどは、実際に青山先生が試してから作品に入れることもあるそうです。
第3章「CONAN'S Mystery」
第4章は「CONAN'S HANNIN」、「名探偵コナン」の影の立役者でもある犯人たちにフォーカスを当てたエリアです。
会場には、使用された凶器のランキングも紹介されていました。ベスト3は、刃物、毒物、銃類です。
第4章「CONAN'S HANNIN」
第5章「CONAN'S Justice」では、すでに亡くなった人などを紹介。作中では、悲しい別れを乗り越え、彼らの遺志を継ぐ人物たちの姿も描かれます。
ちなみに、人気がある松田刑事の名前は、俳優の松田優作から。新一のお父さんの優作も、松田優作からの命名です。
第5章「CONAN'S Justice」
第6章「CONAN'S Magic」は、コナンの好敵手である「怪盗キッド」を深掘り。
怪盗キッドは、青山剛昌先生の初連載作品「まじっく怪斗」にも登場する怪盗。コナンの敵が欲しいと思っていたところで、別作品に出ていたキャラを登場させました。
等身大の怪盗キッド像は、絶好のフォトスポットです。
第6章「CONAN'S Magic」
最後は「名探偵コナン」30年の歩みを振り返ることができるオリジナル映像が味わえる「エンディングシアター」と、最終章「青山剛昌先生 特別展示室」。
連載30周年を迎えた青山剛昌先生のインタビュー映像のほか、貴重な「名探偵コナン」初期設定資料も公開されています。
最終章「青山剛昌先生 特別展示室」
青山剛昌先生は鳥取出身ということもあり、2015年には鳥取空港の愛称が「鳥取砂丘コナン空港」に。空港に降り立つと、BGMでコナンのメインテーマ(作曲:大野克夫)が繰り返されるのを聞いた方もいると思います。
世代を超えて、圧倒的な支持を集めている「名探偵コナン」。会場最後には展覧会限定のオリジナルグッズも多数登場しています。一押しは、つけるだけで江戸川コナンと毛利蘭になれるカチューシャ(各2,200)円です。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2024年1月11日 ]
© 青山剛昌/小学館