TVアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の放映が始まったのは、1995年10月。「エヴァンゲリオン」の人気の広まりとともに、そのキャラクター、色、文字、デザインなど「エヴァイメージ」をまとった商品も数多く登場し、ひとつの文化といえる様相を成しています。
展示総数4000点以上という膨大なボリュームで、さまざまな、“エヴァカルチャー”を代表的なカテゴリごとに紹介する展覧会が、渋谷ヒカリエで開催中です。
渋谷ヒカリエ「EVANGELION CROSSING EXPO -エヴァンゲリオン大博覧会-」会場風景
エヴァプロダクトがずらりと並ぶ会場。早速、カテゴリごとにご紹介しましょう。
まずはフィギュア。エヴァンゲリオンのメカやキャラクターは造形作家の制作意欲を刺激し、1996年から97年にかけて、造形イベントの「ワンダーフェスティバル」はエヴァ一色になりました。
この動きを背景に、才能あるアマチュア作家が大手メーカーの商品開発に参入するようになりました。
「フィギュア」
最初の「綾波レイ」フィギュアはコトブキから発売。
追って海洋堂から「ベッドに横たわるレイ」が発売され、ともに話題を呼びました。
コトブキ「綾波レイ」と、海洋堂「ベッドに横たわるレイ」
自分がファンであることを周囲に伝えるメディアともいえる、ファッション。エヴァのアパレルは、実に多くのアイテムが発売されています。
最初期のヒットは、使徒サキエルの顔をデザインしたCOSPAの Tシャツ。2007年には『:序』の公開のタイミングで、BEAMSがTシャツ専門レーベルでエヴァンゲリオンを展開しました。
「ファッション」
プラモデルやフィギュアだけでなく、デフォルメされたキャラクター商品も多数。エヴァンゲリオンのたまごっち「エヴァっち」も発売されました。
また、商品展開されている販路も多彩。コンビニやゲームセンター、100円ショップなど、あらゆる場面でエヴァカルチャーが浸透しています。
「トイ」
一日の生活で見ても、さまざまなシーンに、エヴァイメージを見つける事ができます。
カップラーメンやお菓子、パンなどの「食」や、家電、家具、アウトドア用品、工具、ペット用品など実に多彩。
いわゆるアニメグッズの枠を大きく超えた広がりが、エヴァンゲリオンの特徴といえます。
「ライフスタイル」
企業コラボの原点は、1997年7月のUCC缶コーヒー「エヴァ缶」。劇場版の公開を控え、作品のPRにもつながりました。
2021年の『シン・』では、ゼンショー・ホールディングスとコラボ。「すき家」「なか卯」など5業態を横断するキャンペーンが行われました。
「企業コラボレーション」
エヴァンゲリオンにおける「第3新東京市」が箱根であることから、2009年に箱根町観光協会は「エヴァンゲリヲン箱根補完マップ」を制作。
箱根ロープウェイの桃源台駅は「第3新東京市駅」に、箱根小涌園ユネッサンでは湯を赤くした「セカンドインパクトの湯」も登場しています。
「イベント」
さまざまなキャラクターともコラボレーションしているエヴァンゲリオン。映画の公開にあわせ、2012年にはハローキティと、2021年にはシナモンロールとコラボしています。
エヴァンゲリオンのカラーに塗装された500系新幹線の「500 TYPE EVA」から、『新幹線変形ロボ シンカリオン』とのコラボも実現しました。
「キャラクターコラボレーション」
既に世に出てから四半世紀を過ぎたエヴァンゲリオン。ここまでの存在になると予想していた人が、どれほどいたでしょうか。
会場最後の公式ストア「EVANGELION STORE」では、最新のアイテムや本イベント限定商品はだけでなく、往年の人気商品の復刻、幅広いカテゴリーの商品が過去最大級の規模で用意されています。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2022年7月14日 ]
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