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    レポート
    ルドンとその周辺―夢見る世紀末
    三菱一号館美術館 | 東京都
    ギネス級の巨大パステル画
    印象派全盛の時代、流行に背くように夢の世界を探求しつづけたフランスの画家、オディロン・ルドン。三菱一号館美術館の2012年初めての展覧会は、世界有数のルドン・コレクションを誇る岐阜県美術館の所蔵品で、ルドンの幻想世界を紹介します。
    展示の目玉《グラン・ブーケ(大きな花束)》
    石版画集「夢の中で」
    石版画集「エドガー・ポーに」
    右は「眼をとじて」。1890年頃に現れたルドンの新しい主題。
    第2部「色彩のルドン」。右はパステル画で「ポール・ゴビヤールの肖像」
    第3部「ルドンの周辺」ポール・ゴーギャン
    第3部「ルドンの周辺」左はマイヨール、右はモーリス・ドニ
    第3部「ルドンの周辺」エドヴァルト・ムンク
    本日のお土産は、ルドン「『夢のなかで』皿の上に」がモチーフのハンコ(630円)。こういうアイテムはつい買ってしまいます。
    幻想絵画で知られるフランスの画家オディロン・ルドン。本展は浜松市美術館美術館「えき」KYOTOと巡回し、三菱一号館美術館にやってきました。

    展覧会は「ルドンの黒」「色彩のルドン」「ルドンの周辺」の3部構成。最初の石版画集「夢の中で」、エドガー・アラン・ポーに捧げた「エドガー・ポーに」、グロテスクだがどこか愛らしい「蜘蛛」などの初期の黒い作品。鮮やかな色彩を用いるようになってからの油彩やパステル画。マックス・クリンガー、ムンク、ゴーギャン、モーリス・ドニなどルドン周辺の画家まで、幅広く紹介しています。


    第1部「ルドンの黒」

    本展の目玉は《グラン・ブーケ(大きな花束)》。広報用のフライヤーでも大きく扱われ、ネットでも話題になっていました。ロベール・ド・ドムシー男爵の城館の食堂を飾った16点の壁画のうちの1点で、縦2.5m、横1.6mという大作。2010年8月に三菱一号館美術館が新規収蔵したものです。

    この作品はルドンが描いた最大級のパステル画でありながら、110年間フランスの城館に秘蔵されていたというもの。ルドンの作品集にも掲載されていなかったというまさに幻の作品で、もちろん日本初公開です。

    作品保護のために照度が抑えられた部屋での展示、画面の大きさから来る迫力とパステルの繊細さが同居した、圧倒的な存在感です。ドムシー城食堂の他の15点は、全て油彩や混合技法。色彩豊かなパステル画はこれ1点で、食堂でも鮮やかさは際立っていたことでしょう。ちなみに他の15点は、すべてオルセー美術館に所蔵されています。

    《グラン・ブーケ(大きな花束)》は今後も展示期間に制限が加えられ、次回は2012年9月からの展示となる予定です。秋までまてない方は、3月4日までにお越しください。
    [ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2012年1月16日 ]
     
    会場
    会期
    2012年1月17日(火)~3月4日(日)
    会期終了
    開館時間
    10時~18時 / 金(祝日を除く)のみ10時~20時
    ※10/5より開館時間が変更になりました。
    ※いずれも最終入館は閉館30分前まで
    休館日
    毎週月曜(但し、祝日の場合は閉館し翌日休館)、年末年始、展示替え期間
    住所
    東京都千代田区丸の内2-6-2
    電話 03-5777-8600(ハローダイヤル)
    公式サイト http://mimt.jp
    展覧会詳細 「岐阜県美術館所蔵  「ルドンとその周辺—夢見る世紀末」展」 詳細情報
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