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京都市京セラ美術館開館1周年記念として、「モダン建築の京都」展が、京都市京セラ美術館新館東山キューブで開催中です。モダン建築好きの方は、見逃せない興味深い展覧会です。
京都でモダン建築展をすること
京都と言えば、平安遷都から1200年続く歴史都市。長い歴史を誇る寺社仏閣建築が目を引きます。そんな京都で、「モダン建築」展が開かれます。京都は、明治以降、戦災、震災がなく、明治以降の建築が残っています。京都の町そのものが「生きた建築博物館」と言えます。
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「京都市京セラ美術館開館1周年記念展 モダン建築の京都」展示風景
明治に入って、都が東京に移り、京都が変わりゆく中で、内国勧業博覧会が京都で開かれ、平安京遷都当時の大内裏が復元されました。それが、平安神宮であり、京都市京セラ美術館が建っている岡崎です。
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「京都市京セラ美術館開館1周年記念展 モダン建築の京都」展示風景
平安神宮の図面を間近に見ることができます。右図面の右下に、洋装の紳士が立っているのがご愛嬌です。お見逃しなく!
歴史都市京都という文脈の中で、京都の近代建築を見る視点が新鮮です。
建築展で楽しめること!
世に、いろいろな建築展が開催されていますが、本来、建築展で見せるべきものは、建築そのものです。しかし、建築そのものは、展示することができません。では、建築展では、何を楽しんだらいいのでしょう?
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「京都市京セラ美術館開館1周年記念展 モダン建築の京都」展示風景
実際に建っている建物の内部や調度、図面などは、建築展でこそ楽しむことができます。建築の背後にあるストーリーを知ることによって、実際の建築を、さらに楽しむことができます。
国立京都国際会館は、モダニズムの美学を継承しつつ、京都の風土になじむ建築として、一時代を画しましたが、建物だけでなく、内部の調度にも、熱い思いを感じることができます。
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「京都市京セラ美術館開館1周年記念展 モダン建築の京都」展示風景
建築展を見て、外へ出かけよう!
建築展の醍醐味は、建築展を見てから、実際の建築を見に行くことではないでしょうか?今まで、普通に見ていた建築が、少し違った風に見えるかもしれません。「(建築展を)見てから、(建築を見に)行くか?行ってから見るか?」悩ましいところです。
国立京都国際会館の全景模型では、そのスケールの大きさに眼をみはります。実際に見に行けば、さらに実感できます。
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「京都市京セラ美術館開館1周年記念展 モダン建築の京都」展示風景
また、京都で異彩を放つ京都大倉別邸(現・大雲院)祇園閣の設計図にもお目にかかることができます。さらに、展覧会開催中(11/19~12/6)、内部に入れる特別公開が行われます。閣上からの360度のパノラマを見ることができるまたとないチャンスです。
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他にも、「講演会&ディスカッション」や「京都を巡る『モダン建築の京都』ツアー」など、建築を楽しむ、いろいろなイベントが開催されます。
今年の秋は、京都で、建築三昧を楽しみましょう!
[ 取材・撮影・文:atsuko.s / 2021年9月24日 ]
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