2020年で誕生65周年を迎えた、ミッフィー(うさこちゃん)。世界中で愛されているその作品世界を、約250点の作品・資料で紹介する展覧会が、PLAY! MUSEUMで開催中です。
展覧会は全国を巡回中ですが、各会場で展示されている直筆原画などはもちろん、今回はPLAY! MUSEUMならではの展示も見どころとなります。
ユニークなしつらえは、会場入口から。クリエイティブ・ユニットのSPREADが、ディック・ブルーナの絵本を構成する6つの色と、ふるえるように描かれた絵のラインで、空間を彩りました。

PLAY! MUSEUM「誕生65周年記念 ミッフィー展」会場入口
1955年6月21日、オランダで出版社された『ちいさなうさこちゃん』と『うさこちゃんとどうぶつえん』でデビューしたミッフィー。1963年に出版された『うさこちゃんとうみ』と『ゆきのひのうさこちゃん』を加えた4冊が、“初期4部作”です。
この頃のミッフィーは、とんがり耳が特徴。『ゆきのひの うさこちゃん』は、これまで1枚しか来日したことがない原画が初めて展示されています。色を塗って原画を作っていた時代の作品です。

『ゆきのひの うさこちゃん』原画 1963年
PLAY! MUSEUMでの本展は、副題が「ちいさなぬくもり・66のおはなし」。「アイディアのもと」「うさぎ」「ぬくもり」など、展示作品との関連や独立したコーナーで、66のトピックスが紹介されています。
また会場の各所には小さな扉が10カ所あり、扉を開けると中にはミッフィーが隠れています。壁の下のほうにあるので、家族連れなら小さなこどもの方が先に気づくかもしれません。

PLAY! MUSEUM「誕生65周年記念 ミッフィー展」会場

小さな扉は、それぞれしつらえも異なります
奥に進むと、壁面には原画とともに、うさぎの写真も。人々の表情をみずみずしくとらえることで知られる、写真家の川島小鳥による作品です。

みふぃみふぃ/川島小鳥
楽しいコーナーが「kakurenbo(かくれんぼ)」。かぶってつけられる耳をコスチューム・クリエイターのイナドメハルヨがつくりました。とんがり耳、丸い耳など、かたちも素材もさまざま。展覧会の中は、このコーナーのみ、撮影可能です。

kakurenbo(かくれんぼ)/イナドメハルヨ
こちらは、本展アートディレクターの祖父江慎さんによる、ふとんをかけてあげるとにっこりほほえむミッフィー。ぴったりの位置に、ふとんをかけてあげてください。

smile/祖父江慎
さらに奥には、ブルーナと日本の関係を示すコーナーも。ブルーナは生前何度か日本を訪れ、日本の作家たちと交流する機会がありました。
石井桃子、五味太郎、さくらももこらによる、ミッフィーとブルーナへの思いが、パネルと原画などで紹介されています。

PLAY! MUSEUM「誕生65周年記念 ミッフィー展」会場
他にも会場には、絵本には採用されなかった原画やスケッチ、数々のストーリーメモ、アトリエでの制作風景ムービーなど、基地な作品・資料が多数展示されています。
ミュージアムショップでは、PLAY! MUSEUMだけのオリジナルアイテムを含む、ユニークなグッズもたくさん。カフェでも展覧会に連動したコラボメニューが用意されています。
2022年3月末(予定)まで開催される、年間展示「ぐりとぐら しあわせの本」展とあわせて、お楽しみください。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2021年7月13日 ]