会場風景
今年、令和3年(2021年)は、聖徳太子の遠忌1400年にあたります。それを記念して、奈良国立博物館で、特別展「聖徳太子と法隆寺」展が始まりました。法隆寺の寺宝を中心に国宝36件、重要文化財75件を含む計174件が出陳されています。
教科書の中や旧1万円札などでおなじみの聖徳太子の肖像画や像を間近に見ることができます。「私たち日本人にとって、聖徳太子とは?」とあらためて考える機会になるかもしれません。
御物 聖徳太子二王子像
27年ぶりの寺外公開の聖徳太子坐像を間近に!
太子500年遠忌に造られた法隆寺聖霊院の秘仏本尊 聖徳太子坐像は、27年ぶりの寺外での公開となります。聖徳太子坐像は、ふだんは非公開になっていますので、それを間近に見ることができるまたとない機会です。
冠を戴き、笏をとる聖徳太子坐像は、鮮やかに残る彩色は美しく、遠くを見通すような聡明で、威厳にみちたまなざしは、見るものを魅了します。
聖徳太子坐像
奈良会場のみの「聖徳太子絵伝」は見逃せない!
聖徳太子絵伝は、法隆寺東院絵殿の内壁を飾っていた10面からなる伝記絵です。現存最古、最大規模、最高傑作の誉れ高い聖徳太子絵伝が一挙公開されています。奈良会場だけの公開ですので、見逃すことはできません。
飛鳥から斑鳩(いかるが)、難波(なにわ)、中国に至る壮大な景観は、実際の地理、方位と対応しているとのことです。
近寄って細部を見、また離れて全体を見渡す、こんなぜいたくな鑑賞の仕方ができるのは、夢のようです。
聖徳太子絵伝
法隆寺五重塔初層の羅漢坐像のほとばしる感情に胸打たれる!
会場風景
法隆寺に行かれたことがある方は、ご存じだと思いますが、五重塔初層には、釈迦と弟子たちの物語が写実的に、塑像としてあらわされていて、時を忘れて見入ってしまいます。
その塔本塑像群のうち、釈迦の死を悼む羅漢の像が出陳されています。写実性を追求した迫真の感情描写には、胸打たれます。この悲しみ、この慟哭、この苦悶!鬼気迫る表現です。
羅漢坐像【塔本塑像のうち】
奈良会場は、前期(4/27~5/23)後期(5/25~6/20)で、作品の入れ替えがあります。また、奈良会場に続いて開催される東京会場とは、若干出陳される作品が異なります。
会場風景
新型コロナウイルス感染症の感染予防・拡大防止のため、事前予約優先制が導入されています。混雑緩和のため、入館時間を一時間ごとに区切った時間枠内の入場になります。ご注意ください。
[ 取材・撮影・文:atsuko.s / 2021年4月26日 ]
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