アメリカ文化のシンボルといえるキャラクター、ミッキーマウス。現在とは異なる誕生当時の姿から、気鋭のアーティストによる全く新しいミッキーマウスまで、ミッキーマウスの進化を展望する展覧会が森アーツセンターギャラリーで開催中です。
本展は2018年~2019年にニューヨークで開催された展覧会「MICKEY: THE TRUE ORIGINAL」の作品を中心に構成。
ニューヨークでの展覧会はミッキーマウスのスクリーンデビュー90周年を記念したもので、ミッキーマウスをテーマにした斬新な作品か評判を呼びました。

森アーツセンターギャラリー「ミッキーマウス展 THE TRUE ORIGINAL & BEYOND」会場風景
会場は3章構成で「原点=THE ORIGIN」から。ミッキーマウスのスクリーンデビュー作『蒸気船ウィリー』(1928年)を、その世界観を模した展示室で紹介します。
続く展示室では、公開80周年を迎えた名作『ファンタジア』(1940年)が現代の最先端技術で演出されています。「ウォルト・ディズニーが現代に生きていたらどのように表現するか」をイメージして制作されました。

「原点=THE ORIGIN」 『蒸気船ウィリー』
続くゾーン「現代=THE TRUE ORIGINAL」では、ニューヨークの展示から選りすぐりの作品が来日。
18名の作家の作品を、日本展のために再構成して展示。田名網敬一さんや野村哲也さんなど、日本人アーティストの作品も含まれています。

「現代=THE TRUE ORIGINAL」
映像作品『Steamboat Willie Redux』は、『蒸気船ウィリー』を35のシーンに分け、さまざまなアーティストが映像を制作して再構成したものです。

「現代=THE TRUE ORIGINAL」 映像作品『Steamboat Willie Redux』
最後のゾーン「未来=& BEYOND」は、日本展のオリジナル企画。まず5人の現役ディズニーアーティストによる「未来の扉を開くミッキーマウス」の作品。全て初公開となります。

「未来=& BEYOND」
さらに日本人アーティストが手がけた新しいミッキーマウスの作品も。大島智子(イラストレーター)、河村康輔(コラージュアーティスト)、添田奈那(ペインター)、書道家 万美(カリグラファー)、WAKU(ネオンアーティスト)の5名で、これらも初公開です。
ミッキーマウスの姿を漢字と見立てた書道家 万美さんと、三丸の象徴性とネオンサインの親和性をあわせたWAKUさんの作品が印象に残りました。

「未来=& BEYOND」 大島智子“お部屋”

「未来=& BEYOND」 書道家 万美 “ZEN Mickey”

「未来=& BEYOND」 WAKU “Untitled”
会場最後には公式ショップもオープン。本展のキービジュアルをモチーフにしたグッズなど、オリジナルグッズも多数用意されました。
なお、入館は日時指定の予約制。観覧には日時指定入館券が必要ですのでご注意ください。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2020年10月29日 ]
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