![軽井沢安東美術館 外観](https://www.museum.or.jp/storage//article_objects/2022/10/01/8203f285801f_l.jpeg)
軽井沢安東美術館 外観
日本で初めて、藤田嗣治(レオナール・フジタ:1949-1968)の作品だけを展示する個人美術館が誕生し、2022年10月1日(土)、プレス内覧会が開催された。
美術館は安東泰志・恵夫妻の個人コレクションを公開するもの。安東泰志氏は三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)や投資ファンドで多くの企業再生に携わる一方で、軽井沢のギャラリーで偶然見かけた藤田の版画作品に惹かれて蒐集を開始。現在までに約180点を蒐集してきた。
作品はこれまで、小金井と六本木にある安東氏の自邸に飾られていたが、「より多くの人に見てもらいたい」という思いから、美術館の開設を決意。2018年から建築の準備がスタートし、今秋、いよいよオープンとなる。
新設される美術館「軽井沢安東美術館」は、軽井沢駅から徒歩圏内で、ソニー名誉会長の大賀典雄氏が設けたコンサートホール「軽井沢大賀ホール」のはす向かいという、絶好の立地。
設計は武富恭美氏が手がけ、「自宅のような空間にしたい」という夫妻の想いから、中庭を囲む建物とし、外壁は夫妻が英国から取り寄せたハンドメイドのレンガ造り。展示室ごとに異る色の壁紙で彩られた、温かみのある空間になった。展示スペースも、個人美術館としては充分といえる広さがある。
開館記念の展覧会では「渡仏 ─ スタイルの探索から乳白色の下地へ」「旅する画家 ─ 中南米、日本、ニューヨーク」「ふたたびパリへ ─ 信仰への道」「少女と猫の世界」「挿画本の世界」「藤田の手仕事」の構成で、所蔵作品の大部分にあたる約150点を公開。
日本でここまでのボリュームで藤田作品を集めた人はあまり類例がなく、藤田の研究者も驚くという圧巻のフジタ・ワールドに包まれる。
館内は撮影禁止だが、展示室5だけは来場者も撮影が可能(フラッシュ撮影、動画、三脚、接写などは不可)。藤田の作品は著作権の扱いが厳しく、来場者も撮影できることは極めて珍しい。
道路に面した1階には、コーヒー器具メーカーの「HARIO」がカフェを出店。HARIOの器具のほか、ガラスアクセサリーも販売する。HARIOによるミュージアムカフェは、泉屋博古館・東京に次いで2店舗目となる。
また同じく1階には「サロン・ル・ダミエ」を設置。通常はワーケーションスペースとして利用できるほか(有料)、スタインウェイのヴィンテージピアノも置かれ、ミュージアムコンサートなどが開催される。
軽井沢安東美術館の一般オープンは2022年10月8日(土)。入館料は一般 2,000円など。
![軽井沢安東美術館 展示室5](https://www.museum.or.jp/storage//article_objects/2022/10/01/c25f4464e890_l.jpeg)
軽井沢安東美術館 展示室5
![軽井沢安東美術館 展示室5](https://www.museum.or.jp/storage//article_objects/2022/10/01/db6385c1e344_l.jpeg)
軽井沢安東美術館 展示室5
![軽井沢安東美術館 HARIOによるミュージアムカフェ](https://www.museum.or.jp/storage//article_objects/2022/10/01/c6d0f57d856e_l.jpeg)
軽井沢安東美術館 HARIOによるミュージアムカフェ
![軽井沢安東美術館「サロン・ル・ダミエ」](https://www.museum.or.jp/storage//article_objects/2022/10/01/ea32fb756a2e_l.jpeg)
軽井沢安東美術館「サロン・ル・ダミエ」
![軽井沢安東美術館 中庭](https://www.museum.or.jp/storage//article_objects/2022/10/01/bbf1ec60abfd_l.jpeg)
軽井沢安東美術館 中庭