兵庫県の南東部に位置する伊丹市は、神戸市から約20km、大阪市から約10kmの圏域にあり、江戸時代には酒のまちとして繁栄し、文人墨客が訪れる文化の香り高いまちとして喧伝されてきました。昭和59(1984)年、その中心市街地である宮ノ前地区に柿衞文庫が開館し、建物を増築するかたちで昭和62(1987)年に伊丹市立美術館が、平成元(1989)年に伊丹市立工芸センターが開館し、さらに平成13(2001)年には江戸時代に建てられた旧岡田家住宅と旧石橋家住宅からなる伊丹市立伊丹郷町館が加わり、これら4つの施設が集う文化ゾーンは「みやのまえ文化の郷」として親しまれてきました。
令和4(2022)年4月、ここに博物館機能を移転して、柿衞文庫、伊丹市立美術館、伊丹市立工芸センター、伊丹市立伊丹郷町館、そして伊丹市立博物館を統合し、歴史・文化・芸術の総合的な発信拠点「市立伊丹ミュージアム」が開館しました。
本ミュージアムは、美術・工芸・俳諧・歴史の各分野におよぶ資料の収集保存と活用、幅広い世代が楽しめる様々な展覧会をはじめ、講座やイベントなどの教育普及活動、伊丹の酒造りを伝える旧岡田家住宅・酒蔵(国指定重要文化財)と旧石橋家住宅(県指定有形文化財)の継承と公開など、多彩な芸術文化を市内外に広く発信いたします。そして、伊丹の、私の、みんなのミュージアムとして親しまれることを目指して付けられた「I/M(アイム)」という略称のもと、芸術文化を通して「人」と「まち」をつなげる活動を行ってまいります。