ミッキーマウスが活躍する「蒸気船ウィリー」が公開されたのは、1928年。それまでのアニメーションは平面的なイラストが動くだけでしたが、ウォルト・ディズニーは、重力のある空間で生き生きと動き回るキャラクターを誕生させました。今や当たり前のことですが、アニメーションに音が付いたのはこれがはじめてです。
ミッキーは「蒸気船ウィリー」がデビュー作と思われがちですが、実は少し前に制作されたサイレント短編映画「プレーン・クレイジー」にもミッキーマウスが出ています。「ウィリー」の公開後、音を付けて公開されたこの作品こそ、本当のデビュー作。原画は日本初公開です。
入口~動き出すいのち 重力をもったキャラクターたちの誕生ディズニー・アニメーション・スタジオは1937年に世界初の長編カラーアニメーション作品「白雪姫」を制作します。展示室には80年も前に描かれたとは思えない、色あせない魅力が詰まったスケッチが並びます。
白雪姫の成功ののち、『ピノキオ』 『ファンタジア』『ダンボ』『バンビ』『ラテンアメリカの旅』など、意欲的に作品を発表し続けます。
作品を発表するたびに革新的なチャレンジをするディズニースタジオ。『ピノキオ』で用いられた奥行きある背景表現を可能にしたマルチプレーンカメラは、現在のCG技術に通じる発明とも言え、長くディズニーアニメーションの魅力を支えました。
魔法のはじまり あくなき研究と開発の日々会場には様々な作品が所狭しと並びます。コンセプトアートや原画など、何気なく見ていた作品たちが人の手によって作られていることをひしひしと実感。展示を見ながら、家に帰ったらもう一度改めて見てみよう…という気持ちに何度もなってしまいます。
魔法の使い手たち 表現の多様化とひろがる世界観ディズニーアニメーションに欠かせないのが、美しい音楽。『リトル・マーメイド』や『美女と野獣』『ライオンキング』などのミュージカルアニメーションは、今も根強い人気を誇っています。
これらの作品は、まさにデジタル技術がどんどん発達した時代に誕生しました。ディズニー・アニメーション・スタジオは、3DCGを使用したダイナミックな表現などを取り入れ、魅力的な作品を生み出し続けていきます。
新たな次元へ デジタル、ミュージカルの海へ近年、ディズニーアニメーションはフルCGアニメーションで次々にヒット作を生み出しています。社会現象になるほど大ヒットした、『アナと雪の女王』では初めて二人のヒロインの物語を作り上げ、『ズートピア』は可愛らしい動物たちの社会を借りて、私たち現代社会の課題を浮き彫りにするなど、取り上げるテーマはどんどん多様になっています。
ただ、どんなに技術が進歩しても、ディズニーアニメーションに込められた思いは変わりません。魅力的なキャラクターや共感を呼ぶストーリーは、1937年の『白雪姫』からずっと変わらないことが、展覧会を通して感じられるはずです。
つながるいのち 多様な社会や地球の未来に向けて展覧会の最後を締めくくる見逃せないミュージアムショップでは、約400種類のオリジナルグッズが並びます。展覧会限定グッズばかりでお財布のひもがゆるゆるになってしまいそう…。
在庫状況や入荷情報は
公式サイトや
公式ツイッターで随時ご確認ください。
400種類を超える限定商品が並ぶミュージアムショップ
ディズニーファンは必見の展覧会。開幕から約2か月が経ちますが、休日は混雑気味のようです。
待ち時間情報のツイッターなど活用してお出かけください。東京の後は大阪、新潟、仙台へ巡回。会場と会期は
こちらでご確認ください。
[ 取材・撮影・文:川田千沙 / 2017年4月7日 ]All Disney artwork © Disney Enterprises, Inc.
■ディズニー・アート展 に関するツイート