戦後の日本洋画壇において異色の存在感を放ち、今なお熱心なファンを獲得し続ける画家・鴨居玲(1928-1985)。鴨居玲は、父親の故郷である平戸市田平町に本籍を持つ長崎ゆかりの画家です。
笠間日動美術館、ひろしま美術館、石川県立美術館、長崎県美術館の作品を中心に、画業初期から絶筆に至るまでの作品(未発表作品も含む)によって構成される全国巡回展です。孤独や不安、死の恐怖など、人間の内面に宿る暗い影に正面から向き合った鴨居の作品は、混沌を極める現在だからこそ、我々が生きていく上で大きな示唆を与えてくれるでしょう。