私たちは長い歴史の中で、着ることにさまざまな情熱を傾けてきました。装いをめぐる憧れや熱狂、ときに葛藤や矛盾を伴って発露する私たちの内なる熱情や欲望を、本展ではファッションに対する「LOVE」ととらえ、その多様なかたちを考えます。着るという行為は「私」という存在の輪郭にも働きかけます。自己と他者の境界、老いやジェンダー、アイデンティティにかかわる苦悩や願望。そうした問題を抱えながら生きる現代の「私」のありようは単一で一貫性があるものではなく、「着がえる」ように日々変化しています。本展では、豪華な宮廷服から現代のデザインまで、京都服飾文化研究財団(KCI)が所蔵する衣服と装飾品にアート作品を加え、着ることから紡がれる「私」と「LOVE」の物語を見つめ直します。
(公式サイトより)