現代アートと建築のミュージアム「WHAT MUSEUM(ワットミュージアム)」では、2025年4月26日(土)から2025年7月6日(日)まで「Reborn-いのちを織りなすアーティストたち-」展を開催します。本展では、日本文化の根底に流れる「自然との共生」と「いのちの行方」をテーマに、現代アーティスト6人による約67点を紹介します。
日本では古くから自然との共生を重んじ、その美しさや力に畏敬の念を抱いてきました。季節の移り変わりや自然のリズムは生活や文化に深く根付き、日本独自の美を生み出してきました。
本展は、現代では薄れつつも日々の暮らしの中で大切に継承されてきた自然との深い関わりに着目し、それを創作活動へ取り入れながら、「いのちの行方」について視覚的に提示する6人のアーティストを紹介するものです。彼らは、流木や古紙ダンボール、狩猟で得た膠(にかわ)など、出会った素材と真摯に向き合い、対話を重ねながら作品を生み出しています。そうして生まれた作品は、それぞれ異なる表情を持ちながらも、共通の方向へと私たちを誘います。彼らの作品を通じて自然との向き合い方を改めて考えるとともに、環境破壊や気候変動への危機感が高まる今、本展が私たちの日常の営みを見つめ直す一助となることを願います。
【出展作家】
鈴木初音(すずき はつね)
1995年神奈川県生まれ。自ら育てた植物や天然由来の材料を用いた平面作品を制作。古より受け継がれた素材とその手仕事を追体験することで現代のものづくりの根源を追求する。
玉田多紀(たまだ たき)
1983年兵庫県生まれ。古紙ダンボールを巧みに用い生き物の造形美や性質をユニークに捉えた立体作品を制作。ダンボールの特性を生かした独自の技法を美術教育の現場でも広めている。
永沢碧衣(ながさわ あおい)
1994年秋田県生まれ。主に東北の狩猟・マタギ文化に傾倒し、自らも狩猟免許を取得。生き物の命に感謝しそれを余すことなく使い別の命に繋ぐ行為はまさに古来より受け継がれてきた根源的循環に他ならない。
帆刈晴日(ほかり はるひ)
1990年愛知県生まれ。自らが描いた絵画作品を解体し再構築し新たな造形に創りかえる。その行為は今までの美術の常識を覆したリサイクルするアートと言える。
水田典寿(みずた のりひさ)
1977年東京都生まれ。海からの漂着物や廃棄された家具などを用い、できるだけ手を加えず、素材本来の美を輝かせようとするアプローチは新たな価値の創造に他ならない。
宮川達也(みやかわ たつや)
1961年岐阜県生まれ。板材として使われなかった木々を用いた彫刻を制作。30年以上にわたり学校教育に携わりながら追求した造形経験はしなやかなやさしさと美しさを孕んでいる。