北斎と江戸の美人画(仮)

    すみだ北斎美術館 | 東京都

    現代では、北斎というと「冨嶽三十六景」をはじめとする名所絵(風景画)で有名ですが、寛政12年(1800)の洒落本『大通契語』では、美人画の名手として取り上げられるほど、その美人画も世に認められていました。本展では、美人画の名手としての北斎のルーツと、その画風の変遷に注目します。 北斎が浮世絵の世界に足を踏み入れた際に師事した勝川春章も美人画の名手で、「春章一幅値千金」(安永4年〈1775〉、洒落本『後編風俗通』)という高い評価を受けていました。北斎は、肉筆画を専門にし、繊細で優美な美人画風を特徴とする宮川長春、その弟子の宮川(勝宮川)春水、そしてその弟子の春章という、美人画の正統の流れに位置付けられます。 北斎は春朗と名乗っていた習作期から、点数は少ないながら美人画の錦絵を手がけています。春朗が美人画を手がけた頃は、成熟した女性の魅力を描き出した磯田湖龍斎を経て、鳥居清長による八頭身の健康的な美人画が流行していました。北斎も、春朗期には清長に影響を受けた美人画を手がけています。 勝川派を離脱し、江戸琳派の頭領となった宗理期には、うりざね顔の楚々とした美人画が「宗理型美人」として大流行しました。北斎を称し葛飾派を打ち立てた後、壮年期には肉感的で艶やかな美人を手がけるようになります。北斎が画風を変化させた背景には、歌麿の美人画の流行をきっかけとして、妖艶な美人画が流行したことがあります。  このように、北斎の美人画は時代によって画風を大きく変化させており、その背景には、当時流行の美人画のスタイルとの密接なかかわりがあります。本展では、宮川長春から北斎に至る系譜の美人画諸作や、美人画の流行を作りだした北斎と同時代の浮世絵師達の作品とともに、北斎の美人画の変遷を追い、その魅力と美人画の分野における立ち位置を明らかにしたいと思います。 (公式サイトより)
    会期
    2025年9月16日(火)〜11月24日(月)
    開催まであと241日
    開館時間
    9:30~17:30(入館は17:00まで)
    料金
    未定
    休館日 毎週月曜日 (月曜が祝日または振替休日の場合はその翌平日)
    公式サイト https://hokusai-museum.jp/
    会場
    すみだ北斎美術館
    住所
    〒130-0014 東京都墨田区亀沢二丁目7番2号
    03-6658-8936
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