まこにゃん
閃輝暗点という視野の中心が溶解したようになる現象に病気の諏訪氏。その炎のように揺らぐ光も絵に落とし込むことで、写実的でありながら非現実な絵画とも感じる作風。
美術館の造りもあって、3つの部屋・3つの章に分かれた構成となっていますが、第3章で紹介されている「描き続ける限り、その人が立ち去ることはない」という試みの作品は、とても可能性のある表現手段なのではないかと感じました。
しかし、私が個人的に感動したのは第2章「静物画について」です。グラスや食べ物などオーソドックスな題材を描いた静物画は、それ自体も綺麗ですが、展示方法が本当に美しかったです。とても暗い部屋で”各絵画にだけ光が差す”ように設置されたスポットライトの効果で、絵自体が発光しているようで、絵画の瑞々しさを倍増させていました。
諏訪敦という画家の力とそれを愛している美術館の合作、という部屋になっていました。