世界最高水準の日本美術コレクションを誇るボストン美術館所蔵品の武者絵と秘蔵の刀剣が里帰り。
武者絵は『平家物語』のような軍記物語や、武勇伝説に登場する英雄(ヒーロー)を描いた絵のことを言い、江戸時代には武者たちを描いた浮世絵が、人々の人気を博しました。
本展では、世界有数の浮世絵コレクションで知られるボストン美術館の所蔵品から、菱川師宣、北尾政美、歌川国貞、歌川国芳、歌川広重、月岡芳年など、有名絵師のクールで迫力のある武者絵118点を物語の時代に沿って、ご紹介します。
武者絵と刀剣の鐔(つば)に描かれた共通のイメージを解き明かしながら、さまざまなヒーローたちの活躍をご覧いただけます。
また、浮世絵版画のコレクションで広く名前が知られたビゲロー・コレクションや、近年新たに加わった刀剣の世界的コレクターとして知られるウォルター・コンプトン氏の寄贈品などから、日本最古の名工といわれる安綱の銘の太刀や、中世日本に多くの名匠を輩出した長船派の名刀などが出品されます。ボストン美術館の刀剣が、日本でまとまって紹介されるのは約半世紀ぶりとなります。
そのほか、膝丸、蜘蛛切、薄緑などさまざまな名前を持つ源氏の重宝「太刀 折返銘 長円(薄緑)」(平安時代・12世紀 個人蔵)をはじめ、国内所蔵の名刀の特別出品も決まり、刀剣ファンならずとも必見のチャンスです。
日本初公開となる武者絵や半世紀ぶりに里帰りした刀剣を展示。
武者絵の題材となる話のあらすじが4コマ漫画で表されていたり、作品の拡大パネルが貼り付けられていたりとポップな雰囲気の会場構成にも注目です。