《蝦夷錦》

この作品の応援メッセージを見る

《蝦夷錦》(えぞにしき) または山丹服(さんたんふく)

函館市北方民族資料館


蝦夷錦または山丹服と呼ばれるこの衣装は、大陸(当時の中国、清代)から樺太を通って、北海道のアイヌの手に渡った絹織物です。
絹の生地に絹糸の刺しゅうが施された、非常に手のかかった立派な衣装です。
これには象徴的に龍の刺しゅうが施され、その龍の爪(指)の数でどんな身分の人が着用していたかがわかると言われており、この4本爪のものは高い身分の貴族や高官が着ていた官服と言われています。
当館にはもう1着5本爪(皇帝が着用)のものも保管されており、開拓使函館支庁仮博物場(現在の市立函館博物館)の開館祝いとして函館の豪商、杉浦嘉七から1879年(明治12年)に寄贈されたものである。その後の年代測定において清王朝の時代に伝わった物として、当時の交易の様子を物語る逸品です。


担当者からのコメント

見た目の色やデザインの細かさにより、当館収蔵品としても人気の高い一品です。
「交易の民」とも呼ばれたアイヌ民族の交易範囲の広さを物語る品でもあり、後に本州へも流出することとなった蝦夷錦ですが、本来の形状を維持したまま国内に保存されている物は非常に少なく、その中でも来歴のはっきりしているものは、数点ではないかと言われています。
胸のあたりに一番大きく配置されている龍の刺しゅうですが、背面にも同じデザインで刺しゅうが施されております。

この作品の応援メッセージを見る
この作品に投票する
投票は締め切りました。たくさんの応援ありがとうございました。
おすすめレポート
学芸員募集
東山旧岸邸 正社員・契約社員 募集! [東山旧岸邸]
静岡県
鎌倉 報国寺 学芸員募集(正職員) [報国寺]
神奈川県
【新卒/経験者OK】都内環境啓発施設、常勤スタッフ(コーディネーター)募集中! [武蔵野市環境啓発施設「むさしのエコreゾート」、エコギャラリー新宿(新宿区立環境学習情報センター・区民ギャラリー) など]
東京都
公益財団法人日本博物館協会 事業部門マネージャーの募集 [公益財団法人日本博物館協会]
東京都
東京国立博物館アソシエイトフェロー(日本考古/書跡・歴史資料)募集 [東京国立博物館(台東区上野公園13-9)]
東京都
展覧会ランキング
1
国立西洋美術館 | 東京都
西洋絵画、どこから見るか?―ルネサンスから印象派まで
開催中[あと67日]
2025年3月11日(火)〜6月8日(日)
2
東京国立博物館 | 東京都
イマーシブシアター 新ジャポニズム ~縄文から浮世絵 そしてアニメへ~
開催中[あと123日]
2025年3月25日(火)〜8月3日(日)
3
東京都美術館 | 東京都
ミロ展
開催中[あと95日]
2025年3月1日(土)〜7月6日(日)
4
ラムセス・ミュージアム at CREVIA BASE Tokyo(豊洲) | 東京都
ACN ラムセス大王展 ファラオたちの黄金
開催中[あと158日]
2025年3月8日(土)〜9月7日(日)
5
国立科学博物館 | 東京都
特別展「古代DNA ―日本人のきた道―」
開催中[あと74日]
2025年3月15日(土)〜6月15日(日)