《鶏図》伊藤若冲 寛政2年(1790) 紙本墨画 軸装
担当者からのコメント: 水墨で雄と雌の2羽の鶏と雛を描く。若冲70歳代の画。背景のない紙面に描かれているが、親鳥の足もとに地面を表わす線が一筆加わることによって、画面全体を奥行きのある空間にしている。若冲は、自宅の庭に数十羽の鶏を飼って観察を続け、その生命感を追求し、生涯にわたりその姿を描いた。鶏は若冲が得意とするところで、くりかえし描かれた画題。表情に滑稽みがあり、品のよいユーモアをたたえた作品である。
「大堀哲記念ミュージアム・マネージメント推進賞」を受賞しました