《母子》小杉放菴 不詳(1940年代か?)
小杉放菴記念日光美術館紙本・着色 48.8×56.9cm
母親の鶏が、成長しつつある雛たちを見守る情景を描いた日本画。他の花鳥画と同じ時期に制作された作品であるが、鶏の親子にだけ焦点を絞り、花や植物は描かれていない。限られた色調による落ち着いた画面に親鳥の赤い鶏冠が画面を引き立てている。黒い羽と白い羽が混じった親鳥の特徴的な姿が印象にのこる作品である。
担当者からのコメント:小杉放菴の花鳥画は、野生の鳥を描いた作品が多いが、家禽も描くことがあった。
野生の鳥に比べて地味な家禽の姿を、羽の色などを工夫して、華やかな花鳥画に仕立てている。