《春秋之図》榊原紫峰 大正14年頃
春と秋の情景を対に描いた一作。左幅は、二匹の猫が描かれた秋の風景、右幅は、桜の花びらが舞い散る中、椿の前で遊ぶ鶏の親鳥とヒナが描かれた春の風景である。春風に柳の枝葉が揺らぎ、春の温和な情感が伝わってくる。花や鳥に愛情を注ぎながら生涯花鳥画を描き続けた紫峰の作品からは、画家の優しいまなざしが感じられよう。
「大堀哲記念ミュージアム・マネージメント推進賞」を受賞しました